第2部 新たなる戦い!ラーメン登場!

第16話 新章開幕!新しい朝が来た!

 そうして今日は月曜日。


 窓から差し込む朝日は明るく、よく晴れた気持ちのいい朝が来た。


 世界征服魔獣と激闘を繰り広げた土曜日、デートが楽しかった日曜日を終えて、今日からまたアルファルド学園での学園生活が始まるのだ。


 そんなわたしは、目覚めてすぐにアスカちゃんさんと一緒のベッドで眠っていることに気が付いた。

 しかも抱きしめられちゃっている。


 わたしの頭はアスカちゃんさんの両腕で優しく抱え込まれていて、やわらかい胸にぎゅっと押し付けられていたのだ――!


 ふぇぇぇっ!?

 これっていったいどうゆうこと!?


 見た感じ、掛け布団はわたしの愛用の銀河密林(Galaxy Amazon、通称ガマゾン)で買った蕎麦布団だから、わたしのベッドで間違いないと思うんだけど……。


 も、もしかして――夜這い!?(もう朝だけど)

 これからはアスカちゃんさんじゃなくて、お姉さま(ポッ……)って呼ぶ感じ!?


 でもアスカちゃんさんってすごく柔らかいし、優しい匂いがするなぁ……。


 なーんて思っていると、アスカちゃんさんがパチッと目を覚ました。


「ステラ……? なんで私、ステラのベッドに……? はっ!? まさか寝ている間に、無理やり引っ張りこまれたの!? 事案発生!?」


「違いますから!? むしろわたしのベッドに入りこまれてますから!?」


 アスカちゃんさんへの誤解を解いて、朝うどんを食べて、そして登校の準備をして。

 さぁ学校に行くぞー、おー!。


 玄関口で、


「ステラ、制服に糸くずがついてるわよ。ちょっと待ってね、はい、取れた」

「ありがとうございます、アスカちゃんさん!」


「ふふっ、いいのよ」

 アスカちゃんさんがふんわり優しく微笑んだ。


「あ、ありがとうございます……」

 月光のようなステキな笑顔に、わたしがほわーってなってると、


「ステラは可愛いわね」

 アスカちゃんさんは、そのままわたしの首元にそっと軽く触れるてくるんだ。


「ぁ……っ」


 こそばゆくて、思わず小さな声が出て、ビクッって身体を震わせちゃったわたし……。


「なぁに、照れてるの?」


「ち、ちがいます! これはその、ちょっと眠くてぼーっとしちゃっただけですから!」


「ふふっ、そういうことにしといてあげましょう」

 その言葉とともに、アスカちゃんさんの手がスッと離れていった。


 なんていうか、いいよね、こういうの!

 嬉し恥ずかしって感じで!


 わたしが求めていたアスカちゃんさんとの同棲生活は、まさにこーゆーのだったんだよ!(>_<)


 世界征服を企む魔獣を封印したことにより、世界は平和になった。

 だからこれからは、わたしとアスカちゃんさんもこうやって普通に学園生活を送れるんだ。


 待望の普通の学園生活ってことで、だから登校中も話題は尽きない。


「勉強はどう? 分からないことがあったら何でも聞いてね」


「ありがとうございます、でも今のところは一応大丈夫な感じです! でも何かあったら遠慮なく聞かせてもらいますね!」


 こう見えて、勉強はそこそこできるんだ。

 学年一ケタとかは絶対無理だけど、二ケタ前半なら頑張ればキープできる感じ。


 ダンスや歌の練習といったアイドル活動も先生に「ステラちゃんは元気があっていいわね」と褒められたので、今のところは順風満帆だった。


「うどんの歴史も勉強してる?」


「いえ、してませんが(。´・ω・)?」


「もうすぐ昇段試験だから、早く勉強しておいた方がいいわよ」


「えっ!? 何の昇段試験ですか?」


「それはもちろん国際うどん連合、つまりUnited Udon――通称ダブル・ユーの国際うどんマイスター認定試験だけど?」


「国際うどん連合(United Udon)、通称ダブル・ユー!? 初めて聞いた組織なんですけど!?」


「心配しなくても大丈夫、元々はわたしの祖父が立ち上げた組織だから」


「はぁ……そうなんですか……へぇ……」


 そんな他愛もない話をしている内にアルファルド学園に到着したわたしたち。

 下駄箱で上靴にはき替えると、


「じゃあまた放課後に会いましょう」

「はい!」


 1年生のわたしと、2年生のアスカちゃんさんはもちろん別のクラスなので、ここでいったんお別れだ。


 アスカちゃんさんは美人で有名人なので、わたしたちのやり取りをたくさんの生徒たちが遠巻きに眺めていた。


 みんなが見ているアスカちゃんさんを独り占めしていて、ちょっと自慢げな感じ!


 だけどわたしは気付いていなかった。


 その視線の中に、敵意のようなものが混じっていたことに――。

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