設定

 もったいない精神で、こんな設定考えてたんですよーというのを書いてみます。


 実は戦士も魔法使いも巫女も教会に選ばれた勇者でした。

 ルネに肩書きがなかったこと、命と引き換えに魔王を倒したことで、いつの間にかルネだけが勇者として扱われるようになります。


1、ルネ


 木こりの少年。勇者一行の中で最年少。

 幼い頃に母親を亡くし、実の父親は失踪したため、シモンの両親に育てられる。

 ある日突然勇者として指名された。病弱な幼馴染の傍から離れたくないと一度は断るが、「シモンさえいなければ」と思い詰めた村人にシモンが殺されかけたため、シモンの治療と身の安全の確保を条件に勇者になることを引き受ける。

 木こりとして斧を振るったことはあるが、戦闘経験はゼロ。

 シモンの前では強がっていたが、かなりの怖がり。魔物を見たら悲鳴を上げ、派手な出血に卒倒し、死体を見たら嘔吐する。

 勇者一行を従わせたい連中に誘拐されかけたり、人質になったりする。主人公なのにヒロインポジション。

 勇者一行の中で最弱だったため、たびたび「本当に勇者?」と首を傾げられていた。

 魔王を倒した後の春灯りの日にも戻ってきている。

 仲間が無事であること、春灯はるあかりの日の祭りが盛大に行われていることを確認して、「俺、頑張ったー!」と歓声を上げた。



2、戦士


 傭兵団のリーダー。女性。三十代。

 雇い主である国が戦争で負けてしまい、戦犯として処刑されかかったところで、教会から勇者として指名される。

 部下の助命と無罪放免を条件に勇者になることを引き受けた。

 ネージュ村までルネを迎えに行ったため、シモンとも面識がある。殺されかけたシモンを救助した後、ルネに「世界じゃなくてシモンを守るために勇者になれ」と助言した。

 勇者一行の戦闘担当。小さな魔物の群れ程度なら一人で捌き切る。指揮能力も高い。

 売られた喧嘩は言い値で買うタイプ。場合によっては自分から喧嘩の叩き売りを始めることもある。

 いざと言う時に、自分の身体を盾にすることを躊躇わないので、いつも傷だらけ。死にかけ回数第一位。

 ルネは何度か戦い方を習いたがったが、下手な護身術は危険だからと教えなかった。戦闘能力がほぼないルネや巫女を危険な場所に連れて行くことを嫌い、可能な限り安全な場所で留守番をさせたがった。

 魔王討伐すら、自分一人で何とかならないかと思い悩んだことがある。

 「どちらが多くの魔物を倒せるか」を競いあった相手は、ルネではなく魔物退治を依頼してきた街の自警団。


3、魔法使い


 森の中に引きこもり、ひたすら魔法の研究に没頭していた魔法使い。男性。二十代後半。

 勇者になるつもりはさらさらなかったが、「魔王が倒さなければ、そのうち魔法の研究など出来なくなるぞ」と脅され、「もし魔王を倒したら、教会で保管している魔法についての資料全ての閲覧許可を与える」と言われて、渋々勇者になることを引き受ける。

 ルネのあまりの弱さに衝撃を受け、なんで君みたいな子供を勇者に選んだんでしょうねとよく首を傾げていた。

 勇者一行の戦闘担当その二。体力筋力は巫女以下だが、魔法であれば攻撃魔法でも回数魔法でも大体のことはできる。

 誰に対しても敬語の皮肉屋だが、ルネに戦闘能力が無いと判明するなり、ルネに防御魔法の使い方を叩き込んだ。また、ルネの現在位置を常に把握するための魔法道具を自作する。ツンデレ。

 ルネが魔王と共に墜落した時、一瞬も躊躇わずに後を追って飛び降りた。地面に叩きつけられる前に、ルネを魔王から引きはがそうとするが、失敗。ルネの遺体を見つけた後、戦士と巫女に止められるまで回復魔法を唱え続けた。

 魔王討伐後は、死者を蘇生させる魔法の研究に没頭するようになる。


4、巫女


 勇者達を指名した教会の巫女。十代。ルネよりは年上。

 勇者一行の中で、唯一「それが私の役目ならば」と無条件で勇者になることを承諾した。

 少し先の未来を予知することができる。魔王に止めを指すルネの姿を見ており、周りやルネ本人が何と言おうと、「ルネは誰よりも勇者らしい」と言い続けた。

 戦闘能力はルネと大差ない。基本的には安全圏でルネと一緒に留守番をしている。戦闘に巻き込まれた場合は、ルネを引きずって安全な場所まで避難する。

 回復魔法が使えるので、怪我人や病人の手当ての時は大活躍。

 物静かで大人しい少女だが、権力を笠に着る連中は大嫌いなので、たまに笑顔のままとんでもない毒舌が飛び出したりする。相手が国王でも物怖じしない。

 ルネが魔王と共に死亡するところまでは、予知できなかった。予知できていたら、絶対勇者になどさせなかった。

 ルネが春灯りの日に帰ってきたことに気づいている。仲間達にルネがいることを伝えた結果、戦士と魔法使いによるお説教大会が始まってしまった。

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