第3話 ステータス1

 続けて説明しようとする片桐先輩を制して御手洗会長が言った。


「貴方の説明を聞くまでもないわ、どうせ魔王や魔物に困っていて討伐して欲しい。ってところでしょう」


「さ……さすが会長、よくお解りで。それから、もう一つ帰る方法ですが、何と!」


「ふん。帰る方法は今のところ無い! だけど、魔王を討伐したら判るかも……てきな?」


「そうです、そうです。正にその通りです」


「バカね。帰れるわけないでしょう。そんなに簡単に異世界と地球が往き来できたら、逆に今頃地球の方だって異世界人だらけよ」


「まさか、そんな……」


 御手洗先輩の発言に、だんだん青ざめる片桐先輩。


 更に一言。


「貴方も早く腹をくくりなさい。ここは、きっと命が思いきり軽い世界よ!」


 えらく男前な発言である。アニキと呼んでいいですか?


「そろそろ、よろしいか? 勇者らよ」


 一応、混乱している様子の俺達に配慮してくれてたらしい。偉そうな神官が話しかけてきた。勝手に神官長と呼ぼう。


 先ほど、御手洗会長が要約した内容を勿体ぶった口調と言い回しで伝えてきたので、会長は女王的に言い返した。


「ステータスを調べるのでしょう。さっさと準備なさい」


 ツンである。会長、その表情が素敵です!


 驚いた表情の神官長さん。慌てて若い神官に水晶玉を持って来させた。たぶん、手を乗せるんだろう。


 ハイ。説明も聞かずに、さっさと御手洗会長が右手を乗せました。もう会長ペースです。流石です。


 御手洗会長のステータスが、これである。


     *     *


・名前/セイコ ミタライ

・種族/人間

・年齢/17

・職業/聖女Lv.1

・生命力 200/200

・攻撃力 100/100

・防御力 80/80

・魔力 280/280


ーースキル


・四属性魔法Lv.1

・光魔法Lv.1

・生活魔法


ーーエクストラスキル


・アイテムボックスLv.1

・女神のカラオケ


     *     *


 続いて片桐先輩が掌を乗せた。


     *     *


・名前/ユウヤ カタギリ

・種族/人間

・年齢/17

・職業/勇者Lv.1

・生命力 400/400

・攻撃力 800/800

・防御力 200/200

・魔力 350/350


ーースキル


・光魔法Lv.1

・火魔法Lv.1

・風魔法Lv.1

・生活魔法


ーーエクストラスキル


・アイテムボックスLv.1

・聖剣


     *     *


 やはり片桐先輩が勇者だったか!


 もしかしたら御手洗会長の方が勇者なのかと思ったが、順当なキャスティングだ。


 というか俺のステータス、めっちゃ低いんじゃないだろうか?


 ここで、自分達のステータスを見た御手洗会長が一言。


「普通ね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る