3-3

 そして目が覚めたら……

 妹に拘束されていた

 寝返りを打つとジャラジャラという鎖の音が耳元でなった

 足元を見やると、足もベッドと繋がれていた

 俺が混乱していると


「……ガチャ」


 俺の部屋の開く音が聞こえた

 俺がそっちを向くと……笑顔の妹がいた


「おにぃ、もうわかってるよね」


「ごめん……なにもわからない」


 俺には妹がここまでする理由がわからなかった


「む~、おにぃが悪いのに~」


 確かに返事を先延ばしにした俺が悪いが、鎖で縛られ、身動きが取れない状態までされていることが分からなかった

 妹は仰向けで縛られている俺の上に馬乗りになった


「じゃぁ、私がわからせてあげる

 私がどんだけおにぃのことが好きなのか」


 そう言って妹はスマホを取り出して俺に見せつけてきた

 そこにはこれまでの俺の、いや俺たち兄妹の写真がズラリと並んでいた

 それは異常な数だった

 俺が小学校のときころまである


「これなんて素敵でしょ」


 そういって見せた写真は七五三で俺が7歳のときのスーツを着たものだった


「こんなに頑張るおにぃも好きだよ」


 次に見せてきたのは運動会の短距離走の写真だった

 たしかビリだったのだが、妹はそんなことを気にもしないで思い出として残していた


「そして、これがお気に入り

 可愛いでしょ」


 最後に見せてきたのは俺が寝ている写真だった

 男に可愛いとは、って文句を言いたかったが、妹の圧が凄すぎて言葉を呑んだ

 それにしても写真はすごい数だった

 俺の知らない俺が撮られていてとても怖かった


「ねぇ、おにぃ

 私おにぃの為に学校だって変わったのよ?

 私はこんなにもおにぃが好きなのに何でおにぃはそうじゃないの

 ねぇ、何で私を蔑ろにするの

 ねぇ、何で、何で、私だけのおにぃじゃないの

 ねぇ、何で、何で、何で

 ねぇ、答えてよ、おにぃ

 ねぇ、何で黙ってるの

 ねぇ、応えてよ、おにぃ」


 妹の狂気とも思えるその様子に俺は何も言えなかった

 何も応えてあげれなかった


「……もういいよ……おにぃ……

 最初からこうすれば良かったんだよ……」


 そんなことを言って妹は手をこちらに伸ばしてきた

 そして唇を寄せてきて……

 俺は見ていられずに目を瞑った



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 お星さま3つのレビューを頂きました!

 ありがとうございます!

 今回はヤンデレ回です。

 うまく書けたかな?少し不安です

 新たなフォローとハートありがとうございます!

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