第四幕 Form Change !(中級編)

「ぇ~、このゲームには基本が5、各熟練度400でなれる派生が5。特定の熟練度600以上のフォーム2つでなれる特殊フォームが5の計15のフォームが、現状存在します。」

ギルド「ともしび亭」のギルドマスター(外見グロイ魚)が、何か言ってる。

「・・なんでいきなり説明口調?」

「そうしなくちゃいけない気がしたんだい!・・ぁ、ちなみに特殊フォームは誰かとってる?ヲイラは派生全部だけやわw」

「自分も特殊はなし。派生はウィザード以外なら。」

「私も特殊は無しで、派生は一応、全部取ってる。」

「ぇ?唯そうなん?自分は派生ナイトとモンクしかないわw」

「・・この筋力バカ・・・」

 そういうことなのかな?えっと、

「私は派生、バードとスナイパーだけですね。特殊はありません。」

「ほむほむ。・・ということで、たまにはいつもと違うフォームやってみない?」

「え?」

「またいきなりだな^^;」

「でも、やりたいかも!」

「・・確かに興味はある。」


 ・・唐突なギルマスの提案でこんな流れになった。いつもと違うフォームって・・。

「とりあえず、さかなん。具体的になにやるん?」

「テルはタンクか回復やり。これ今後、やる場面があるだろうからw」

「じゃあ俺は、・・普段やらない火力かな?唯さん、ミアさん、希望あります?」

「私は久々にタンクやりたいなぁ。・・と言うことで、テル回復ね♪」

「しまった!ヒーラーほとんど上げてね~~のに~~;;」

この二人はだいたいこんな感じ。仲良いなぁ。

「この機会に上げれw ん~と、ミアさん、フォーム熟練度どのくらいですか?」

んっと、私は確か、

「えっと、ヒーラーが600とガンナーが400。あと、スナイパー、マジシャンが300くらいで他は100以下です・・」

「なんかヒーラーだけやたらとあるなぁ^^;」

「完全に後方型ですね。」

・・そういえば、前衛やったことなかった気がする。

「ではミアさんはとりあえずマジシャンで。クレスさんは橙か緑お願いです。自分は・・・後ろで踊ってますわw」

「ええ!?」

何、その、踊るって!?・・でも、周りの反応は慣れた感じで、

「でた!後ろで踊るww」

「・・この前は本当に踊ってたし・・・」

「・・それじゃあ試しに緑のガンナーで。ダンジョンは43でいいです?」

「あしらわれたw んですなぁ。そゆわけでPT投げます。5chD前集合でw」

そうして「ともしび亭」の面々。マスターである魚の人、テルさん、唯さん、Klessさん、そしてミアこと私は、普段あまりやらないフォームで43D、LV43ダンジョンに挑むこととなった。


 の前に、これは聞いておきたい。

「・・踊るって、本当に踊るんですか、マスター?」

「ん、機会があればw」

「こいつはww」

「結構冗談じゃないんだよね、これが・・・」

・・冗談じゃないんだ。

「・・まぁ、いざとなったらちゃんとやるし。で、結局、何するんです?」

 クレスさんが取り繕う。・・この人の方が、どっちかっていうとギルマスっぽい気がするのよね・・

「・・ん~~、じゃあ、鳥さんで歌ってますわ。ほげーー!!w」

「ジャイ○ンリサイタルww」

「・・ん、適当かな。テルのフォローお願いします。」

「ういうい」

 ん?どういうことだろう?

「・・ぇっと、すいません。踊らなくて歌うんですか?」

正直にわからない旨を伝えると、すかさずクレスさんからフォローが来た。

「あ、「鳥さんで歌う」を翻訳すると「バードで支援します」って意味です。バードなんで鳥って呼ばれるのですよ。」

「さりげなく翻訳言うなw とまぁ、そういうことですw」

 ああ、そういうこと。

「わかりました。・・マスターって、バード、鳥ってあんまりやらないんですね?」

「んや?たまにやるよ?」

 ・・あれ?

「ぇ?・・でも、普段やらないフォームをやってみるって話だったんじゃ?」

「・・ま、いいんじゃない?生臭坊主は、基本と派生フォームは全部満遍なくやってるみたいだし。」

「魚だから生臭いから生臭坊主・・・わかりにくかったわ!!w」

「確かにww」

 ここではたまによく見る掛け合い。・・でも、私はちょっと驚いて再び聞いてみる。

「えっと、全部ですか?ちなみに熟練度はどのくらいなんですか?」

「全部500は、いってましたよね?」

「うん。ナイトとマジシャンはこの前600ようやくいった。・・だがこれだと特殊にはなれない;;」

「なんでその組み合わせww」

「相変わらず意味わかんないわ、魚はw」

「んがーーーー! とにかく行くぞ野郎ども!!w」

「ぇ、あ、はい」

「ごまかしたなw」

「野郎じゃないけどねw」

「・・りょうかい。」

 ・・なんか強引に話締められちゃったけど、LV50でその熟練度は高すぎるような?・・ギルマスやる人って、みんなこんな感じなのかな?


「さて、集合したわけだけど・・違和感あるなぁ・・・」

「ぁー、私もナイトなんて久々だし。」

「まぁ、新鮮だね。」

 た、確かに、違和感が・・

「ぇ、えーっと」

「ほっといて・・」

 といった感じの各メンバーのフォームは、


盾役:ナイトが唯さん。

回復役:ヒーラーがテルさん。

アタッカー1:ガンナーがKlessさん。

アタッカー2:マジシャンが私、ミア。

その他おまけ:バードがマスターである魚の人。


「となっております。・・・って、何でヲイラがその他おまけなんじゃ~~!;;」

「ま、マスター?」

いきなり何言ってるの、この人!?

「ぁ~、何考えてたかなんとなくわかるわ。・・無視無視。」

「ひどいなぁ^^;」

「う~んむ、俺にできるか不安だ不安だ・・」

・・などと自由な面々と一緒に、43Dへ。


「さって、いきますかー!回復ちゃんとお願いよ?」

「・・まぁ、頑張る。」

 あら?珍しく謙虚な態度のテルさん。・・でも、盾の回復怠ると一気に全滅しかねない。そう考えると私がよくやっている回復役がより大事に思えてくる。

「ぁ、そだそだ。もし万が一やられてもデスペナ復活しないでね。戦闘後復活するから。万が一全滅しても自分が復活しに来るんで、気楽に行きましょ。」

「OK」

「了解です」

「・・OK。気楽にやる。さかなんサンクス。」

 マスターからの助言。・・でも、それだと、

「わかりました・・けど、マスターばっかり悪いです。」

「ぁ~、気にしないでミアっち。この魚は当面LV50から上げる気ないらしいから。・・だよね?」

「うん。そのとおり。・・・ってか、ミアっちって呼んでるんや?w」

「なんとなく。・・けど、ダメかな?」

 突然のミアっちという呼び名。・・ちょっと考えたけど、そんなに抵抗はないし、

「ぁ、構いませんよ。・・そうなんですか。了解です。」

「じゃあヲイラもミアりんと呼びますw」

「・・セクハラ、パワハラ、・・運営に通報しよう」

「み、ミアりんはちょっと・・」

 ・・さすがにね^^;

「冗談っす!・・ほんと、冗談だからね?」

「・・・さー、いくぞー。ついてこい野郎ども。」

「そ、それさっきのヲイラのセリフorz」

「なにやってるんだか・・」

「^^;」

本当に・・・w


 まぁ、何はともあれ、ダンジョンを進・・もうとしているんだけど、

「テル!バフお願い!」

「バフ?あ、タフネスとマインドか。すまん、了解。」

「・・テル氏、そういえばヒルレ覚えてる?」

「ヒルレ」とは「ヒールレイン」という範囲回復魔法の事だ。

「ない!リザレクまでw」

 うわ、それって、

「・・ということは範囲の回復と異常解除は無しってことか・・それはきついかも・・」

「ほんとに筋力バカ・・・」

「・・ま、まぁ、最後のやつ以外はなんとかなるかな^^;」

「ぁ、テル氏、このへんの雑魚たまに麻痺使ってくるからキュアも忘れないで。」

 ぁ、そうだった。私も最初、キュア、状態異常回復遅れたりしてたなぁ。

「お、おう」

とはいえ、、初めてだと私の時のように時折麻痺が遅れる。解除のキュアをかける際に回復がやや遅れて盾である唯さんが死にかける・・ということがありつつ、どうにか最初のボス前に到着する。

「・・回復、けっこうめんどいのね・・・」

「・・私も、回復が上手くいってないとどれだけヒヤヒヤするか身を持って知ったわ。・・どうします?ボス戦は私が回復でもいいですけど?」

 ぁ、私が回復でもいいかなぁ。

「・・いんあ、このまんま行こう。自分がなるべくフォローするし、死んでも戦闘後復活させるから。・・まぁ、経験値とアイテムドロップはごめんなさいだけど^^;」

「・・わかりました。テル、ここのボスはダメージを与えると雑魚を喚ぶデバフをかけてくるから、その解除に特に気をつけて。」

「雑魚を喚ぶデバフ・・どこでわかるっけ?」

 えっと、なんて言えばいいっけ?

「私の簡易ステータス画面の下に出るから、それが出たらキュア。一応、私も出たら攻撃止めるよう気がけるけど・・」

「了解、やってみる、準備OK」

 すかさずの唯さんの回答。早いなぁ。

「こっちも」「私も大丈夫です」

「ほんじゃ、唯さん、GO!」

「k」


 戦闘開始。盾役である唯さんがタゲ、ターゲットを取ったのを確認して順次攻撃を開始する。

回復量がいつもの唯さんと比べるとどうしても落ちるけど、なんとかなるかな。・・と思った矢先、例の雑魚を召喚するデバフ解除が一瞬遅れたのかザコ敵が4体出没する!

召喚された雑魚4体に対して。慌てて唯さんが範囲に大きくヘイトを稼げるスキル「雄叫び」を使うけど、うち2体は取りこぼす。

 ぁ、しまった!

そのタゲが取れていない雑魚2体に私の範囲攻撃スキルが当たり、私に向かってくる。

・・ど、どうしよう・・

「クレス一体。もう一体は俺やるんでミアさん待機。テルはそのまま盾回復!」


 唐突なマスターの指示に、私は反射的にスキルも通常攻撃もせず、少しずつ敵から距離を取る。Klessさんが私に向かう雑魚のうち一体に攻撃を続け、自分にタゲを向けさせる。

その間にマスターも残りの雑魚一体に、範囲支援は継続しつつ攻撃を集中。自分にタゲを向けさせることができた!

「よっし、CT切れたらまた雄叫びお願い。鳥じゃちょっともたん・・その後、ミアさん攻撃再開。範囲連打で。」

「はい!」

「よし、切れた!」

唯さんが再び「雄叫び」を行い、マスターについていた雑魚が唯さんに向かっていくのを確認する。

 その後、指示通り範囲攻撃魔法を使いまくり、少しでも雑魚を減らそうとする。

そして、雑魚を掃討すると同じくらいに、なんとかボスも倒すことができた。

「お、レア剣出た。これ申請していいの?」

「ぁ~、決めてなかったんで、欲しい方申請の適当モードでw」

「りょーかい。殴り合い上等w」

「適当モード^^;」

 相変わらずいい加減だ。・・まぁでも、この剣初めて見るし、申請しておこうかな。

結局マスター以外の4人が申請し、・・ダイス勝負でテルさんが入手した。

「・・レディファーストとかないの?KY」

「ひどくね?;;」

「あはは・・・^^;」

 まぁ、仕方ないよね。

「・・まぁ、同等の武器は持ってるんで、自分はそこまででもないが。」

「ヲイラは持ってたから、辞退やw」

「・・一体いくつレア持ってるのよ。この魚類は・・」

 本当に・・

「魚類ひどくね?::」

「マネすんなよww」

なにはともあれ、とりあえず中ボス撃退成功。


「・・さって、次のボスは問題ないっしょ。ラストまで一気に行きますか。」

「OK」

「ういっす。」

「了解」

「わかりました」


この43Dにはボスが3体いるけど、後に行けば行くほど強くなるというわけじゃない。2体目のボスは防御とHPは結構高めだけど、攻撃力はさほど高くなく、厄介なスキルも使わないので、時間はかかるけど死ぬことはそんなにはない。

実際、特に問題なく2体目のボスを倒してラストのボスの前まで到着する。ちなみに、2体目のボスではレアドロップは出なかった。

「・・さて、コイツは範囲攻撃バンバン撃ってくるけど、どうする?」

「ん~、テル、ここで都合よくヒルレ覚えたりという展開はないの?」

「それは非常においしいシチュだが、ない!」

「ぁー、んじゃヲイラがヒーラーやるわ。テルはマジシャンやって。唯さん、クレス氏はそのまんまでミアさんはー・・ん~、スナイパーやろうか?」

「マジシャンかよ・・」

「え?」

「範囲攻撃のボスにスナイパー??」

 そう。スナイパーというフォームは単体に対する遠距離攻撃に優れるが、反面、防御は低めでかつ多くのスキルが「伏せて構える」必要がある。このモーションがあるせいで、他のフォームより攻撃を避けるのが難しい。つまり私の知る限り、「遠くにいる雑魚を一体ずつ倒す」のがセオリーのはず。盾がいて近距離型のボスというならまだしも、範囲攻撃のボスでこのフォームというのは・・

「このボスの範囲攻撃は、広いやつはそこまで強力じゃないから自分が回復するし、一番やばい指定範囲は狭いし溜めがあるから避けられる。」

「いや、溜めがあるといってもそんなにある訳じゃないから、スナイパーじゃ難しいでしょ・・・」

 唯さんの言うとおり、このボスの溜め時間はそんなに長くはない。・・でも、私は以前にもっときついものを見たことがある。

「・・やってみます。」

「ミアっち!?」

「ヒュー、かっけー!!」

「・・ふむ。」

「うっし。ほんじゃ、フォーム変えて準備整ったらやってみますか!」



 こうして43D最後のボス戦が始まった。

 このボスは4種類の範囲攻撃スキルを持つ。うち自分の周囲に攻撃する「地鳴り」と、前面広範囲に攻撃する「薙ぎ払い」の二つが主に繰り出される。回避はできなくはないかもしれないが続けてだと難しく、威力もかなりのものなのでここで範囲回復がまず必須になる。

さらに3つ目は、一番詠唱が短く回避が不可なくらい範囲が広い「咆哮」。威力はほとんどないが、移動速度低下のデバフがつく。

・・この3つだけなら移動低下デバフは放っておいてもいいかもしれないけど、最後の一つが先ほどマスターが言った一番やばいランダム指定範囲スキル「豪火」だ。

 この「豪火」は4スキル中一番範囲が狭く、溜めも長めなのだが、威力は非常に高い。その威力はLV45位だと魔法防御がかなり高めの魔法系かHPのかなり高い戦士系でどうにか一回堪えられるかどうか。今のPTでおそらく耐えられるとしたら、LV48騎士の唯さんかLV50ヒーラーのマスターくらいだろう。

 なので、この「豪火」は避けるに越したことはない。その時のために「移動速度低下」は解除しておくといい。・・考えたらここの回復大変だなぁ・・

「うぉ?やっべ!?」

言ってる端からテルさんの近くに「豪火」が着弾する。ちょっとヒヤッとしたみたい。

 「咆哮」からの「豪火」は、ボスのHPが低くなるほど顕著になってくる。明らかな一撃死狙いで油断できない。

 というボスのHPが3割切った矢先、唯さんが「豪火」を被弾!

「ごめ、まずった・・」

 どうにか生き残った唯さんに回復を集中するマスター。ボスは「咆哮」を放つが、回復優先で移動低下解除が遅れる。

(!今は!!)

 確証はなかったけど、私はそうした。「狙撃のための伏せ」を解除する。その私の周囲に「豪火」の範囲指定を示すエフェクトが!

(前!)

 デバフのためか移動が遅い!それでも少しでも範囲から逃げられる前面、ボス方向に向けて走る。

 ・・と、突如移動速度が上がった!マスターからのデバフ解除がかかったのだ!

(これなら!!)

 まさに間一髪、「豪火」が着弾する寸前に指定範囲から逃れる!それを確認するや私は再び「伏せ」て狙撃に入る。

「あともうちょい!!」

 マスターのその発言からしばらく、私たちは見事、誰も倒されることなくボスの撃破に成功した。


「ん~んぬ。レアはなしか。みんなおつかれ~」

「お疲れ様です。」

「お疲れ~・・」

「・・・マジで疲れた。乙;;」

「・・お疲れ様でした。」

ダンジョンの最後のボスを倒した後のほぼ恒例の「お疲れ」・・でも、今回は普段とは違う動きをしたので、みんなしんどそう・・・もちろん私も・・

 ・・ぁ、みんなじゃないか。マスターは普段通りに、

「いや~、ちょっとヒヤヒヤしたところあったけど、みんな慣れないフォームで死なずにクリア!すごいやん^^」

「・・最後むっちゃやばかったけどね・・不覚。・・盾まだまだだなぁ」

「アタッカーって、ダンジョン雑魚でも油断できないと再認識できて、僕的にはまぁよかったかな。」

「・・・回復きついわ。・・・しばらくは青に足を向けて寝れん・・」

「しばらくかいw」

「私も最後ヒヤッとしました。マスター、解除ありがとうです。」

「いえいえ。ちょいと遅れてごめんよー^^;」

「とんでもないです。」

 ホント。解除なかったら間違いなく間に合わなかったんで、マスターには感謝。

「・・・そうそう。よく最後かわせたね、ミアっち。・・「伏せ」てない私も避けそこねたのに。」

「・・ぁー、あれは範囲指定と同時に「突進」かけちゃったんじゃない?あれ硬直長いから^^;」

「う、・・そ、そうだけど・・「伏せ解除」もそれと同じくらい長いでしょ?しかも移動低下かかってたのに・・」

「えっと、「咆哮」のあとに「豪火」のパターンが、ボスのHP半分切ってから多いみたいなんでなんとなくというか・・正直言うと、ほとんど、たまたまでした^^;」

「ぇ?そんなパターンあるん?」

「・・毎回じゃないけど、確かにたまにあるように感じるね。それに備えて動く準備をしておくのはわかったけど、なんでスナイパーなのに前に?。」

 えっと、それは、

「移動低下時は向きを変えるだけでも、ちょっと時間食うからね~。後ろは論外。あと、横に移動したら解除が届かなかったかもしれないから、結果的には正解だと思うっすw」

 (え?)

「・・・さ、さかなんがもっともらしいことを・・・そうなの、ミアっち?」

「あ、はい・・」

「ヒドクネ?;;」

「日頃の行いやww」

「・・・orz」

「・・漫才はさておき、ミアさんとマスターはどこからその情報を?」

「あ、えっと、前にいたギルドでちょっと。」

「魚なめんな(ドヤ顔w」

「意味わからんわww」

「・・魚とバカはほっとくとして、ミアっち、前にもギルドはいってたんだ。良かったらどこか教えてもらえる?」

 う~~ん。・・別にいいよね?

「・・えっと、元第1サーバーだったんでみなさん知らないかもですが、「ボルケーノ」ってギルドです。」

「ボルケーノ?・・ごめん、知らないわ^^;」

「俺も知らないなぁ。1鯖なんて」

「あんたは2鯖もほとんど知らないでしょ!?」

「そーともいうw」

 まぁ、そうだよね。ギルドなんて沢山あるから・・

「マスターとKlessさんも知りませんよね?」

「・・・なんか聞いたような・・・詳しくは知らないかな。」

「・・まぁ・・」

「そうですよね。そこってLV高い人が多くてびっくりしちゃいました。」

「・・高いってどれくらい?」

「サーバーが統合する前に、ついていけなくて自分から辞めさせてもらったんですけど、その時点で80が何人かいた気がします。」

「ちょ!?」

「高すぎでしょwww」

「・・まぁ、1鯖はここより1年長いからね~。」

「・・・・・」

「当時私は始めたばかりで、ギルドマスターのLVの確認の仕方すら知らないで入ったんで、結果的に迷惑かけちゃったかもです・・」

「・・ぁー、初めては仕方ないよ。気にしない気にしないw」

「そうそう。・・まぁ、そのおかげっていうのも変だけど、ここにミアっち来てくれた訳だし^^」

「おう!美少女歓迎!!ここには華がなくて~」

「・・・ほう?私は美少女ではないと・・?」

「美少女どころか・・って、おい!なんでソーサラなって杖構えてんだよ!?」

「・・ぁ、ダンジョン内では対戦はできないか。・・・表に出な。」

「文字通りってか。 ・・・上等。白黒はっきり付けたるわ!」

 出口から外に飛び出す唯さんとテルさん。・・あれ、対戦っていいのかな?(・・・テルさん、マジシャンのままだけど・・)

「よし、かかってこいや!!・・・って、スキルがあれ?」

「・・・マジシャンのままやんーーーーー!!;; ちょっとタンマ!!」

「問答無用!!!」

 PTステータス画面のテルさんのHPが一瞬で0になりました。アーメン。

「・・・相変わらず仲いいなぁ、君らw」

「「なんで(よ)!!」」

「・・ぁー、夫婦漫才は今度じっくり見るんで、今日は落ちますわ。おやすみ~」

「誰が夫婦漫才や! おやすみ!!」

「違うから!! おやすみ!!!」

「・・怒りながらでもちゃんと挨拶はするんだ二人とも^^; おやすみです。」

「・・おやすみ」

<「魚の人」さんがログアウトしました>



さって、私もそろそろ落ちようかな。


ピロン♪


あれ?この音って・・クレスさんから内緒チャット?

<内緒:Kless>「突然すいません。ちょっと聞きたいんですが、「ボルケーノ」のギルドマスターって、ひょっとして「ライアス」という方ですか?」

 ん?確かにマスターはライアスさんだったけど?

<内緒:ミア>「あ、はい、そうです。ライアスさんがどうかしましたか?」

<内緒:Kless>「・・あ、いえ。そんな名前をどこかで聞いた気がして気になっただけです。失礼しました。」

 はぁ、・・まぁ、気になったら調べるタイプの人っぽいからね・・

<内緒:ミア>「いえ、お気になさらず。私もそろそろ落ちますのでこの辺で」

<内緒:Kless>「あ、お疲れ様です。」


「では私も落ちますね。お疲れ様でした。おやすみなさい。」

「あ、お疲れ様ー。おやすみ^^」

「おやすみっすw」

「おやすみなさい。」


 そして私はCFOからログアウトした。

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