第4話 完成究極タッグ

ボクの恩人である開発者はこう言う。


「オレがもう一度居場所を作ったる」


 この思いから究極のベッドを設計し、崖から降りた人を救助する仕事に全力を注いだ。


「よぉし、完成した」


 ついに究極のベッドが完成し、断崖絶壁の下に配置していると、オレの目に飛び込んできたのは、まだ初々しさの残るスーツの男性だった。

 オレは思わず唇に触れる。身体から全てを受け止めたおかげでその男は無事だった。

 そして後日、目を覚まし胸の内を明かしてくれた。

 男の価値としてのレッテルを背負い、生きてくことが辛かったと話してくれた。

 すると、近松は閃き、以前妹が使っていたメイド服を貸してみたところ、スタイルも良く、似合っていたため、なんとなく甘い香りに包み込まれるような感覚に研ぎ澄まされる。


「なあ、小雨堂、ホテル作らないか、オレと一緒に」


 白衣の紳士は五秒間見つめ、小雨堂に頼み込む。

すると、オレが長い年月をかけた究極のベッドからなんとも美形な男子学生が飛び込んできた。

 咄嗟とっさだったオレは未熟な唇が左へとかすめた。なんとか受け止めたおかげでその男子学生の今がある。

 苦労して成し遂げた理由こたえがここにある。


 何はともあれ、今オレの隣にいるのは、人々の悩み事を聞くことに長けている。

 オレにはない部分を補い、秘書としてホテル創業の黎明期れいめいきからというもの、現在も揺るがない唯一無二のパートナーだ。

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断崖絶壁メイドロッパー DarkPython<bl> @macT

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