―― 大和、黒髪山（くろかみやま）

「技巧道（ぎこうどう）下忍試験

試験者、佐賀青螺（さがセイラ）の試験内容と

機会が決定した」

「…は！して試験内容は？」

「新興宗教、カメリア教団の枢機卿（すうききょう）…

全世界東部管轄の枢機卿（すうききょう）、エリカの暗殺である」

「…枢機卿（すうききょう）とは…少し荷が重すぎでは…」

「心配するな、出来たばかりの新興宗教よ…枢機卿（すうききょう）とは名ばかり…。

東部管轄のエリカは信徒拡大に、この大和に目を付け、すでに信徒を送り込んで来ている。我等が領主様は、神聖な大和が汚されることを大変嫌っておられる」

「は！…暗殺実行の機会は、どうなりましょう！？」

「11月末日、午前10時、大陸東部の九十九（つくも）教会にて、枢機卿（すうききょう）エリカの講演が行われる。その会場入りで実行せよ。」

「…は！」「ちょっと待ってくだされ…」

「…どうした？」

「…11月末日まで、もう日も、ありませんじゃ…次の機会は、ありませぬかのぉ」

「この機会を逃すと年を越す。実行せよ！よいな？」

「…12月に、新たな機会が生まれるようなことは、ありませんかのぉ…」

「婆様（ばばさま）、お主…領主様に逆らう気か！！」

「いえ、滅相もございません…」

「…では、折を見て当人に伝えよ

良い報告を待っておる」

「は！」

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