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このような状態の責めは 誰が負うのだろう

卒倒した老人の責めは 誰が負うべきか

平和とは 一瞬として 騒然となるものだ


だけど 僕は 揺るぎない確信を得た

高鳴る鼓動を どう 落ち着かせよう

逃げるように 僕は 立ち去った


少年を伴っていなければ

僕は 行き倒れていたかもしれない

息が止まりそうなほどの衝撃で


囚われの老人は 兵士だ

青年を撃った

あの 兵士だ


僕は どこに たむけたらいいのだろう

青年のための 花束を

納まりきれない 動揺を


僕は 集会場の天井を仰ぎ見た

ピアノの上には 無数に残る 弾痕

鍵盤の上には 青年の 血痕

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