第42話 ミンクスの定食屋

ナオキ「マスクを買おう!マスクを!とびっきり最新のやつ!


「ガスマスクでも買うつもりか??まずは街で情報収集だ!」


俺とナオキはミンクスの定食屋に寄ることにした


入店早々ナオキは看板に書いてあったとんかつ定食を頼む


俺はもう少しメニューを見ていたらAランチというのがあったのでそれを注文した


店内にはまだ俺らしかおらず閑散とした雰囲気だった


しかしここの店主は気前が良く


とんかつは大きめにカットされた肉厚な豚肉をほんとにサクサクでザクザクに揚げてカットレタスを添えて提供してくれた。そして俺のAランチは定食同様にご飯と味噌汁に大きなハンバーグとカットレタス、生卵と漬物がついていた。しかしそれ以上に良かったのが


「Aランチはご飯と味噌汁はおかわり無料なのか!?」


ナオキ「え!?なんだそれ!?いいなー」


俺とナオキが驚いていると店主が


店主「Aランチは工場で働く人たちのために作ったものなんだよ、限られた休み時間でたくさん食べて欲しくてね」


「工場?この町にはぱっと見そんな工場ばかりには見えなかったが……」


店主「まだ多少は残ってますよ多少はね……大体が閉鎖して東のシャペロンの方に出稼ぎに行ってるんですよ」


「なぜそんなことに?」


店主「経営の方は良く分かりませんが……使う電力とかを安くしてもらえるらしいからとは聞きましたね。あとは買収されて移転とか」


ナオキ「あんな空気悪そうなところで働くくらいならこの町の方が絶対良いだろ!」


店主「そんなことは分かってますよ、でも実際仕事が無くなれば誰だって働きに行くんですよ。私だって数少ない常連さんのおかげで細々とやってますけど、彼らがシャペロンに行ってしまったら私も……」


(………わざわざ工場を買収させてでも移転させたのは何が目的だ………?税収を上げるため?何かを隠すため……?って何考えてんだ俺は、いかんいかん!)


ナオキ「しかしそんな買収って…いったいどこのどいつだ?」


店主「霧島建設……とか常連の一人が言ってたな」


ナオキ「なんだその会社?聞いたことないな」


店主「私もさっぱりさ、でも巨額の資金を持ってるんだろうな~」


ナオキ「そういえば来る途中にいくつか食品系の工場を見たんだがあれは買収されなかったのかい?」


店主「うーん……でも近年だいぶ改装されて人手がいらなくなったことで大幅に解雇しているからなあ……経営陣は間違えなく変わっただろうね」


ナオキ「へえー」


そんな会話をしながら俺らは食事を終え店を出た


ナオキ「で?どうするよ?」


「なんかシャペロン工業地帯は色々胡散臭いところみたいだな……ファデス地区はシャペロンの北、ここミンクスは西なんだからシャペロンを避けつつ向かうことにしよう」


ナオキ「迂回か……数日はかかりそうだな」


「ああ、日が落ちる前に出発しよう!睡眠は列車で十分とっただろ?」


ナオキ「そうだな、金も無駄にはできないしさっさと行くか」


俺とナオキはそうそうにミンクスを出ることにした


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