第13話 成果発表

さて、今日はいよいよ一週間の成果を見せる時だ……と思ったのだが、俺は一つの疑問があった


それはなぜか知識があることだ長老の植物ホルモンの解説も頭にすんなり入ってきたし今回の細菌も何故思いついたのかわからない。


(……この姿になる前の前世の俺の記憶か?それともこの体の記憶なのか?……自分のことがほんとに分からない……だがこの知識は好都合だ、俺の能力の応用の幅を増やせそうだ)


そんな考え事をしていたらいつの間にかナオキが横に立っていた


「うお!?いつの間に!?扉がないから気づけねえよ!声くらいかけろや!」


ナオキ「普通気づくだろ、ボロイ建物だから床がきしんで歩くと結構音が出るんだぜ?」


「んーまあそうだけど……それで?何のようだ?」


ナオキ「お前なー今日がその一週間目だということを忘れたわけじゃないよな?長老が楽しみにしていたぞ?」


「わーってるよ、見せてやるよ」


にやつきながら歩いていく俺を気味悪がりながらナオキはついてきた、そして畑に到着すると


ナオキ「んー?浄化されたのか?見た感じ変わってないけど……」


「まあな、畑の土では分からんだろう、作物も一週間ではたいして変化しないしな」


ナオキ「だがこれじゃ分からんだろ、汚染されてないと証明してくれなきゃ安心して使えないぞ?」


「分かってるよ、こっちに来てくれ 見せたいものがある。」


おれはそういってナオキを汚水湖に連れていく


ナオキ「ん!?何か……濁りが……」


汚水湖は汚れが固まりとなって湖底に沈んでおり、まだ濁りがあるものの水面近くは透明になっていた


ナオキ「これは汚れが沈殿しただけでじゃないのか?」


(顔に似合わず疑り深いやつだな)


「考えてもみろ、ここは用水路の一部の流れを変えてできた汚水湖!つまりこうしている間にも汚水はここに入ってきているんだよ だがどうだ それでも濁りは他とくらべて圧倒的に少ないだろ!」


なんともお粗末な証明だが、対照実験用の汚水湖を作っていないのだから仕方ない。これで納得してもらうしかないのである


ナオキ「あー確かに!言われてみればそうだな!うん!すごい浄化能力だ!!」


(なんか納得してくれたらしい 意外と素直なんだなこいつ)


長老「おおーーこれはこれは ……」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る