第3話 テーマは、「愛し愛されたのは」

 私は、冒険者になりました。時に野道を歩き、時に飛竜で断崖の向こうへと飛んでいく。近くにいると感じること。遠くから見守ること。ふたりが空で一体化すること。そのドラゴンの見事な鱗と、羽ばたく翼の躍動感。それを感じることが、どちらが望み、どの点でドラゴンに嫌がられているのか。ドラゴンの従順は、私への愛の裏返しなのではないか? しかし、ドラゴンの体は人間の数十倍もあり、私など、さほどの重さも感じぬのか? ……ダイエットしなきゃな。飛竜の上で飲食はしない。なんだろ、ドラゴンって、何食べるのって肉だよね。

 ダメだ、ドラゴンが捕食する姿は見たくないし、書きたくもない。どんだけドラゴン好きなんだよ、私~。妄想も甚だしいぞ。


 私は原稿用紙を、引き出しに突っ込んだ。結構な量が溜まっていた。これを利用しようか。と、過去の自分の作品にほくそ笑む。だめだめ、採点されてないし。

 何を書いたら、いいんだろ。ま、恋愛に似なくもないか。私は、新しく原稿用紙を下ろした。

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