第20話

私の手持ちは銀貨が5枚。

まずは貨幣の相場を知らなければならないな。

宿はどの位の値段か、平均的な月の生活費はどの位の値段なのか?


そして貨幣の種類もだ。

今持っているのが銀貨のみ。

よくある小説や漫画だと他に銅貨と金貨があるはずだがどうなのだろうか?


金貨は持つ機会が少なそうなので除外するとして、それ以外の貨幣の価値を自分の中で整理しておかねば。

とりあえず適当な屋台などを見つけて物を買って色々と聞いてみるとしよう。


色々と街を見ながら歩いていると何かの肉を焼いている屋台が一つ。

ここで聞いてみるとしようか。


「一つ頂けるだろうか?」


「あいよ、一つ銅貨三枚だ」


「すまないが銀貨しか持ち合わせてなくてな…」


「構わないさ。


お釣りの大銅貨9枚と銅貨7枚と肉串一つだ」


ポケットにお釣りを入れ、肉串を頬張ると口の中にタレの味とスパイスの香りが広がるも肉の旨味もしっかりと残っている。

なかなかに美味しい。


「ご馳走様、久しぶりに美味い物を食べれた。


色々と聞きたい事があるんだが良いだろうか?」


「今は人もあんまり居ないし、構わないぜ。


何が聞きたい?」


「おおよその物価と宿の値段が安い所と高い所を教えて頂きたいのだが」


店主から聞けたのは自分と同じ肉串だったら肉の素材にもよるが大体は似たような値段らしい。

独り身の男性の一月の生活費が銀貨3枚辺りらしいが、そこはある程度前後するだろう。


安い宿が大銅貨3枚からで、高い宿は最低でも大銀貨は必要らしい。

銅貨が100円程度の計算で間違いないだろう。

という事はオークの頭だけで結構な値段があったようだ。


「時間を取らせてすまなかった。


お礼として受け取って頂きたい」


「いいのか?


遠慮なく受け取らせてもらうぜ」


店主に情報料と迷惑料として大銅貨を三枚支払った。

これでも少ないかもしれないがあまり払い過ぎても遠慮されるものだからな。

この位ならば受け取って貰えると判断した。


次に行くとすればギルドか宿屋だが、先にギルドに行くとしよう。

身分証明書が無ければ何かと不便だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る