16日目~

朝起きると、泊まった小屋の周りに人だかりが出来ていた。

そりゃ、助けに来たなんて言えばそうなるか。

村長さんとはいろいろ話させてもらった。

村の小屋の改造、食料の持ち込み、畑を造園すること

すべて了解してもらえた。


「なぜここまでしてくれるんですか?」


皆を守りたいからです。


今日から引っ越しと作業を開始した。

まず僕とコトミとレナで引っ越しで車を往復する。

銀杏くんとシュウとツキで木材と石材を収集するという分担をした。


「我が夫よ。なんだか引っ越してばっかりだね」

「レナは嫌かい?みんなと暮らすの。」

「よくわからないや。でも、シュウとツキがいて、ギルのヤツはいなくなったけど、我が夫と銀杏とコトミが来てからさ。なんか楽しいことばっかりな気がする。」


相変わらず僕は夫なんだな。

今回の村には、井戸もあったし、あとは畑さえ出来上がれば、ごはんには困らなそうだ。

あとは、各家族が住んでる家の改築だな。


ちなみに、引っ越し中もゾンビは現れている。車で轢いて進むのにも慣れた。

なので、車のフロント部分は真っ赤だ。サイドに寄ってきたゾンビはコトミが撃ち殺してくれてる。

着実にスキルも増えてる。

ゾンビがもう怖くない。

あとは、これ以上ゾンビを増やしたくないと思うようになった。

新しい街を作ったら、ゾンビが入って来れなくなるように壁を強固につくろう。

死んだ人がゾンビになってしまったら、僕か銀杏くんで処理しよう。

砂が体内に入ってゾンビ化する問題はどうしたら解決するだろうか。

砂を掻き出して、ゾンビ死体からの砂もすべて外に出すか…。

みんな、この話を了解してくれるだろうか。


「俺はいい案だと思うぜ。これ以上ゾンビが増えないようにすることに賛成だ。」


それから、他にもプレイヤーやNPCがいるなら、みんな街に受け入れたい。


「プレイヤーのほうは本人たちがどう反応するかわからんが、NPCは集めてしまいたいな。ゾンビ予備軍だからな。囲っちまうほうが管理しやすい。」


管理って、そこまで強く言うことはないと思うけど。


「高くて固い壁は任せたぜ。いくらでも材料は掘るし、畑も作るからよ。」


任せてよ。いい街を作ろう。


「私も協力する。」


ありがとうコトミ。


「あたしのことも忘れないでよね。我が夫のしたいことは、わたしがしたいこと!シュウもツキも使っていいからね!」


ありがとうレナ。


こんなにたくさんの人と何かをするなんて初めてだ。



今、とっても充実してる。



これから、何年かかってでも、ゾンビに負けない街をつくるんだ。





第一部 完







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