第7話 美希さんは姿もメイドになりました。
「これが温度調整で、コッチを回すとシャワーが出る。コレがボディーソープで、コッチがションプーとトリートメント。で、コレが美希さん専用の体洗うタオルね」
俺は美希さんにシャワーの使い方を一通り教えている。
「一護ありがと」
美希さんのお風呂事情を聞いていた俺は、失礼と思いながらも使い方を知っているか聞いてみた。返事は『よく分からない』だった。
「じゃあ俺は行くね」
「一護」
「何?」
「私、ここに居て良いのかな?」
「いいんじゃない? 他に行くとこあるの?」
美希さんは頭を左右にふった。
「だよね。ならずっと居ていいんじゃない」
「え? それって——」
「ん? 何?」
「ううん。何でもない。じゃあシャワー浴びるね。覗いちゃダメだからね」
「覗くか! 犯罪者になりたくないわっ!」
美希さんは『アハハ』と笑った。笑顔を見て安心した。リラックス出来ているみたいだ。
そして俺は畳の部屋に戻った。しばらくして美希さんが戻ってきた。短パンにタンクトップ姿。
美希さんは学校一の美少女と言われている。その美希さんの超薄着姿。しかも……ブラしてないよね。
「どうしたの?」
俺の視線に気づき不思議そうな顔をしている。
「あ、うん。麦茶持ってくるね」
俺は台所に移動した。ヤバイぞ。あの姿を毎日拝めるのか。最高かっ。
俺はメインで使っている畳の部屋にいる美希さんに麦茶を持っていく。かあちゃんがいた。
「かあちゃん何してるの? 店はいいの?」
かあちゃんの側に紙袋かある。何だ?
「お店は従業員の二人に任せてるから大丈夫。その二人から提案があってね」
「提案?」
「ふ、ふ、ふ。美希ちゃんにプレゼントがあるの」
「私にですか?」
かあちゃんは紙袋に手を入れゴソゴソしている。
「てっ、てれ〜。めいどふく〜」
かあちゃんはだみ声だ。おい、それはやめろ。いろいろ問題になるぞ。
「——って、メイド服⁉︎」
「そう、従業員に美希ちゃんの事を話したらね、『メイドならメイド服必須でしょ』って言われてね。買ってきた」
どこから買ってきたんだ? そんなの美希さんが着るわけ——
「わっ、可愛いです。それが私の仕事服になるんですね。喜んで着ます」
マジかっ! 美希さん本気? かあちゃんに気を使ってない?
美希さんはメイド服を持って隣の部屋に行った。しばらくして戻ってきた。
「どうですか?」
「おお〜。美希ちゃんかわいい。最高! ね、一護もそう思うでしょ」
「う、うん」
美希さんのメイド服姿は確かに可愛かった。白と黒がバランスよく配色され、半袖で膝上のフリフリスカート。今が夏だからか生足。エプロンは腰下の短いもの。
「美希ちゃんくるっと回ってみて」
かあちゃんの言われるがままくるりとその場で回る美希さん。フリフリのスカートがふわりと浮く。ギリギリおパンツは見えなかった。
「美少女メイドの誕生だね。あと普段着とか下着も買ってるから着てね。この紙袋に入ってるからね」
そう言ってお店に戻って行くかあちゃん。
「美希さん、かあちゃんに気を使ってくれてありがと」
「え? メイド服のこと? 私すごく気に入ってるよ。かわいいし。一度着てみたかったんだぁ」
う〜ん。本音かどうかは分からないけど、喜んでいるのは本当みたいだな。着ているメイド服を見てニコニコしているよ。美少女メイドはかわいいけど……薄着の美希さんの方が良かったなぁ。
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