「は、はい」


武雄は緊張した声で肯定こうていし、深くうなずいた。こういったサービスを受けるのは初めてのことで、思わず身体が石のように硬くなる。


『ではまず、ご説明させて頂きますね』


利用の説明は、おおむね広告に書かれてある通りだった。


『居候の相手ですが、男性と女性どちらをご希望ですか? あぁ、年齢まではご指定できませんので、ご了承下さい』


「男性で、お願いします」


武雄は迷わず答えた。


『期間はどれくらいに致しますか? 最長で十日間までになります』


どうしようかと武雄は首をひねる。期間まで考えずに電話をかけてしまったのだからすぐに答えられないのも無理もない。


それを電話の向こうがわで察したのか、『とりあえず一日に設定しておいて、その後に延長してもいいですよ!』と提案してきた。


「じゃあ、そうします」


『わかりました。何時頃そちらにうかがいましょうか?』


「朝の六時は大丈夫ですかね?」


『大丈夫ですよ! では、ご希望の通り明日の午前六時にそちらにうかがいますね』

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