第25話 光寿郎一回死す。

「九条さん、送りますよ。」


車の中から夏帆が声をかけて来た。

白いニットワンピースを着こなし

夏帆が乗り込むように促し

助手席のドアを開けた。


「どうぞ‼」

後ろから何台か車が繋がる


「あ💦俺はその・・・」


「早くでないと、混みますよ。」

光寿郎は流されるまま夏帆の

車に乗り込んだ・・・。

微かに甘い香りが鼻をかすめる。


「俺はちょっとこの先の

鰻屋に用があって、良かったら

一緒に鰻たべる?」


社交辞令のつもりだったが

以外にも彼女は食いついて来た。

「キャッ鰻大好き。

そう言えばお腹空いちゃった!」


あどけなく笑う夏帆は可愛くも

見えてきた。

ショートボブヘアーの彼女は

大きなクルリとした目を細めて

嬉しそうな顔をした。


鰻屋の親父さんは父親の友人で

NYの親父に頼んでいたのは

NYの画家が描いた街の風景画

だった。


親父さんは、父から俺が持って

行くと言う話を聞いていたらしく

心待ちにしていた。


「おー光寿郎、来たか‼」


「ご無沙汰しています。」

昔から職人気質の親父さんは

父親と仲がいい。


子供の頃から良く連れて来られ

ていた。

頑固な顔面の皺は、子供ながら

に恐くもあり、優しくも

あった、スーツ姿の父親とは

仕事も違うが勇ましく

又人間臭さを感じた。


絵を渡すと喜んで壁に掛けていた。


「今特上、上がるから

食って行け‼」


「はい。」

「おっ、美人だね。

彼女かい?」


彼女は店主を見てニッコリと

笑った。


「いえ彼女は、知り合いですよ。」



如何にも日本家屋と言った作りの

老舗は昔話に出てきそうな

大きな作りだった。

しかしNYの街の風景は

以外にマッチしていた。



香ばしいまろやかな鰻独特な

香りが鼻をつつく。


2人で座り鰻をたべる


ほっこりふっくらとしていて

皮は香ばしい。

米にも力を入れていて精米仕立ての

米を使う。

ご飯1粒1粒が立っていてツヤツヤ

光っている。


「そう言えばこの間、結菜と鰻

食べに街の鰻屋に行ったんだ。」


「ああ、・・・結菜鰻好物なんですよ。

物凄く食べるんでビックリ

しませんか?」


「確かに・・・

初めは牛より食うん

じゃないかとクククビックリしたよ。」

光寿郎は目を細めて笑いだした。


「ですよねー笑

学生の時なんかパクパクパクパク

食べてて

テーブルの上スイーツが

ズラ━━━━━━━っと並んで

みんな見に来たりして。

恥ずかしかったなぁー

ꉂꉂあははは」


「ああ、分かる分かる!

慣れないうちはオレも恥ずかし

かったかなぁꉂꉂあははは」


「鰻大好きだから五善くらい

軽く食べますよ。」


「あーぁ食ってた、食ってた‼

もう化けものみたいにね!

ꉂアハハハ」


結菜は軽自動車の、白いタン〇を

購入した。


電動自転車もいいけど

こうして光寿郎が出張に出た時

迎えに来れるようにローンを

組んで買っていた。

今日は驚かせようと光寿郎には

内緒で迎えに来た。


彼を喜ばせる為に‼

結菜は今日は公休に当たった為

最初にどうしても光寿郎を

助手席に乗せたかった。


結菜は空港で秘書さんにバッタリ

会い結菜も顔を覚えていて

向こうも

「あっ、専務の彼女さん」

と声をかけてきた。


専務の行動からソロソロタクシー

乗り場に向かうはずですと

教えられ結菜はタクシー乗り場で

光寿郎を見つけた・・・


しかし見覚えある車が結菜を

追い越し光寿郎の前で止まると

光寿郎を乗せて走りだした。


そう夏帆の後に続く車は

結菜の購入したダイ〇〇、タン〇

だった。


二人は結菜が光寿郎を迎えに

来てそのまま後ろを

付いて来た事を知らない。


観葉植物のピンク、赤、黄色の

グズマニアの艶やかな

大輪の後ろに密かに結菜は👂を

立てて咲いていた。

二人の楽しげな会話はつづく。


「いやいやもっと食うぜ

あいつ大食い大会に出たら

優勝すると思うなぁ

ここの鰻食べたら10や20じゃ

済まないかも・・・美味い。」


「光寿郎さん結菜が彼女だと

はずかしくない?」

「Σ(=o=;)ギク!!」←ユイナ


「え?なんで?」


「だってみんな注目するし

私は恥ずかしかったなぁー」


「ああ、それな‼

確かに見られるし恥ずかしい

かなぁꉂꉂアハハハ」


「d(ŐдŐ๑)←ュイナ」

(恥ずかしかったの?)


「ねえ光寿郎さん。

私お腹いっぱいだと眠く

なっちゃった。」


「えつ‼ じゃあ帰る‼」


「どっかで休みません。

私もずっとフライトで疲れて

るし・・・。」


「俺は結菜の彼氏だし

君は結菜の親友だろ?まずいよ。」


「黙ってたら♡

分かりませんって!

私口は軽くないし大丈夫ですよ。」


「ああ、(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…

参ったな‼」


「私の事、嫌いですか?」


「いやいや、美人だし、スタイル

いいしそそられるよ‼」


「結菜にはバレませんって

ちょっとした火遊びなん

ですから、ね。」


「・・・💦」


「ふふっなんなら私に

乗り換えてもいいんですよ。

結菜経験も少ないし


つまらないとおもいますよ。

私なら光寿郎さんを満足

させれますけど、

退屈なんてさせませんよ。」


「えっ・・・つまり君と?」

驚きつつ夏帆の妖艶な瞳に釘付け

になる。


「ふふっ‼

だから男と女ってそういう

ものじゃありません?」


意味ありげな目をして光寿郎をみる。

ポッテリとした唇は鰻のせいか

コラーゲンタップリのツヤツヤ

した光を放つ


光寿郎もつい見入ってしまう。

夏帆は光寿郎の手に手を重ね


つい光寿郎は彼女の手を握った。


その瞬間を見た結菜は

「( ; 0ᾥ0 )嘘やん‼」


二人で見つめ合う光景は大人雰囲気

もうやるしかない風

発情タップリで・・・負けたぁガックリ

光寿郎は夏帆に落ちた。

結菜はそう思った。


「俺は結菜が好きなんだよ

気持ちは変わらない

それでも良いの?」


光寿郎の問いかけに夏帆は

「勿論!」

そう頷いた。


二人は腕を組、鰻屋を出た。


見送る店主は

「ありゃ彼女だろ‼

光寿郎め、嘘つくなよな!」


「ホントですね。

・・・・( ̄д ̄)・・・・」


ん?(´⊙ω⊙`)

パツと振り向く店主の後ろには

冷たい顔をした結菜がいた。





今度は光寿郎が夏帆の車の

運転席に座ってエンジンをかけた。



最初男はみんなこう言う。


「おれ、結菜が好きなんだ、

君はそれでもかまわない?」


私は応える。

「勿論。」

今までと何も変わらない。

男は遊んでいるうちに私から

離れられなくなる。

変わらない男は0

皆私に落ちて行った。


ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あはははチョロイチョロイ


ここまで来れば難関突破‼

ヾ(  ̄▽)ゞオホホホ



そんな時

青いフリフリのレースブラウス

と水色のジーンズの結菜が

二人の車の前を横切った。


夏帆が気がついて( ꒪Д꒪)ヤバ…

「早く出ましょう。」

と急き立てる。


「待て待て慌てないで‼」

携帯を操作して結菜におくる


“ただいま結菜、今夜食事に

行こう迎えに行くから“

送信


「ねえねえ、早く早く

行きましょ💦」

夏帆は光寿郎の袖口を引っ張り

せつっいた。」


オイオイ

スキダナァハハハ・・Σ(ㅇㅁㅇ;;)エッ

顔を上げた光寿郎は(;;゚;3;゚;;)結菜

を見て驚いた。


一気に生汗が吹き出した。

汗は止まらない‼(((;´✖Θ✖`;)))


そんな光寿郎を見た夏帆は窓を

開けて

「あら結菜もいたのぉー

私達これから・・・うふふ

邪魔しないでよ!」



「そう、お楽しみだね!

夏帆の新しい彼氏?

なんて言う、お・名・前?」

結菜が冷たく笑った時


ライ〇の返信が光寿郎の携帯に

届く。

オープン画面には

“いかない“


光寿郎はハンドルに凭れ(-_-;)ハァ…

顔を背けた。



「そう・・・楽しんで

私達はもう終わりだから。」

満面の笑顔の夏帆にニッコリと

冷たく答えた。



結菜は、買っばかりのタン〇に


=͟͟͞͞(=͟͟͞͞(=͟͟͞͞(

乗って車を静かに出した。


正真正銘の浮気癖は治らない。


そう言い聞かせながら

アパート迄帰った。



光寿郎はそのまま動け無かった。

夏帆の誘惑に負けてしまったのは

紛れもない事実。


「九条さん。

結菜より私を選んで、あんな

子供つまらないんでしょう。

だから私と寝たかったんじゃ

ないの? ね‼ね‼」




「何も言わないでくれ


なんて事をしたんだ・・・

・・・今は後悔している。」


唖然とする、夏帆の車を降りて

タクシーに乗り換えて結菜の

アパートへと追いかけた。


ピンポンピンポンピンポン

カチャ

以外と早くドアが空いて光寿郎は

ホッとする。


◤◢◤◢◤◢◤◢WARNING◤◢◤◢

💀💀ここから〇殺のシーンに

入ります。

気を病まれる方、不快に思われる

方は、次のページから読まれて

下さい。🐝🐒🐞

ルミン。




「結菜、違うんだ‼疲れていて

気の迷いなんだよ。」


「そうですか!」

気持ちの入っていない返事が

返ってくる。



光寿郎は結菜を後ろから抱き締め

「ごめん、ごめん。」

必死にあやまった。


「ぎぃもぢい 悪いんだよー‼」

ドンッ!

離してよ━━━━━━━━ツ‼」

グリグリグリ グリッグリッ

光寿郎は押し倒され腹踏みされた


最後に弁慶の泣き所をガツンガツン

イテイテイテイッテェ━━━━━ェエ。



「だから、ごめん二度とこんな

事はしないよ。

まだホテルに行ってないし

許してくれ。」

ピョンピョンしながら無実?を

うったえてくる。


「許す?」


「うん、その為には

なんでもする。

結菜の言うこと何でも聞くし!」


「夏帆はね、結婚の決まっていた

雄吾を私から寝とつた本人よ。


前に話したじゃない。」


「........( ⊙ω⊙ )あ‼あの友達か?」


「そう。」

怒りを我慢した結菜の声は

冷えていた。


「知らなかった!知ってたら

あんな事しない‼


ごめん結菜、君を傷つけてしま

ったのか?

どうしたら許してくれる?」



「どうしたら?`ア'`'`'`

は?許されると、思うの?

あなたは雄吾より、酷い事をした。


2回もあんな気持ちにさせたん

だ━━━━━━━━━━よ‼

許せる理由ね━━━━━━よ‼


(`✧ω✧´)地獄に落ちろ‼

1回4んで、でなおしてコイ!!」



「結菜‼・・・💦」


「シネ、4寝 、シ━━━━━ネエ」


「死んで・・・消えて‼

私の前から消えろ‼」



「は?( ꒪꒫꒪)」


そうしたらあなたの事

許すから、4んで。」


「え?」


「死んで・・・死ね、死ね、死ね‼」

そう呟くとドアをピシャンと

閉めた。


「死んで・・・。」


冷たく凍りついた結菜の心は

氷点下迄下がっていた。

呪文のように響く4寝


俺は項垂れる。




なんで男運がないんだろう。

雄吾も信じて、すき過ぎて・・・

裏切られた。


また同じことを繰り返す


このままの人生繰り返し・・・

ぼんやりと、そんな事を

考えながら、

ふと玄関に目をやった。


ぼーっと座り込んでいると

朝になっていた。




( ꒪Д꒪)はあ?


あつ‼


玄関に赤い物が流れ混んでいた。

ドアを開けようにも何かが

挟まってあかない!

ヌルりとした感触は血?



💦

あ、開かない、開かない開かなーい‼

๑ΘдΘ๑┣¨キ┣¨キ*┣¨‡ ┣¨‡

バクバク!バクバク心臓の音が

煩いくらいに、震える‼


直ぐ救急車を呼んだ。

ザワザワと人が集まる気配がする。


まだまだ開かない?

なんで、なんでハラハラ


警察が来て大騒ぎになった。






遠ざかる記憶の中で自分の

甘さを知る。


結菜の眩しい笑顔を奪い

もう結菜も失っただろう。

大事な人と分かって居るのに

なんで浮気なんて・・・💦

コンビニに行って瓶ビール

12本買ってきた。


最後の夜は結菜と居たかった。

ほんとに大好きだから

ならなんで夏帆に揺れた。


夏帆の体から甘い香りがして

何となくそんな気になった。

言い訳だな笑


もう良いよ。最後に見たのが結菜

の冷たい顔か?、せめて笑って

欲しかった、


あ‼


笑えなくしたのは

俺だった。


バングアシャンガシャン

階段の門で瓶を割る。

鋭い刃が現れた。




思い切って腕を切った。ピユー

赤い血が飛ぶ

い、痛い😣結菜の心の痛さか・・・

一回じゃ未だ痛いだけだ、死ねん!


もう一回グサッ


あ‼ う、うぅぅぅ


いけるカモ‼


俺は座って入るのが、だんだん

しんどくなって横になった。


もう随分流れたな、こんなに

出るもんなんだな。


俺の血は髪まで濡らしていた。


血でI love yuina

横たわる体の力を振り絞り

ドアに書いた。

携帯で結菜の写真をスクロール

ハアハアハアハア

かなりしんどい

一番のお気に入りの結菜の写真を

みる。


最後のプレゼントだよ。

俺の心を置いて行く!




ハアハアハアそうだ

通販で結菜に買ってあげたかった

ものがあった。

バックや、イヤリング、服を

買い漁る

息があるうちに買えるだけ買う。


最後に

ぺいぺ〇の金を結菜に全額おくる。


もう結菜を失いながら生きて行く

つもりは無い。

俺の人生リセット


コレで結菜は許してくれるよな!

死んだら許してくれるって

約束だから・・・。


約束だぞ許してくれるなら

結菜、ちゃんとプレゼント受け取れ

俺の為に・・・


やっと開いたドアの前には

“I LOVE Yuina“

光寿郎の血で書かれた

文字



救急車が来るまで結菜は半狂乱

だった。

直ぐ光寿郎と救急車に乗り込み

病院へと向かった。


「光寿郎、光寿郎、」

結菜の呼び掛けにも反応しない。


「死んだら浮気より許さ

ないから━━━━━━っ‼」


光寿郎の反応はない。


何人もの医療系の人達が

光寿郎を待っていた。

すぐ担架に移され光寿郎は

手術室へと運ばれた。


「結菜」

椿さんが駆け付けて


「何があったの?」


結菜は光寿郎との経緯をはなした。


「結菜のせいじゃないよ

遅かれ早かれ光寿郎はこうなる

運命だったのよ。

女に刺されるか、自分で刺すかの

違い。


でも分かってあげてね

結菜の事本当に好きだった

のね。」


バタバタバタと出入りがあって

慌ただしく人が又出入りする。

その度、心臓はバクバクと

脈をあげる。


10時間後、手術室から特別室

へと光寿郎は移された。


「今日が山です。」

先生は一言呟くと頭を下げて

出て行った。


いっぱい点滴や心電図で繋がれ

た光寿郎は静かに目を瞑って

いた。


フワフワと俺は病室の天井近く

に浮いていた。

下を見るとベッドに横たわり

寝ている俺が見える


結菜はしっかり俺の手を握り

泣いていた。


「ああ、・・・💦死んだのか

俺・・・💦」


すると結菜が呟いた


「死んだら他の人と直ぐ

エッ〇するから、

良いの?光寿郎本気だから

あんな事やこんな事するから


光寿郎がいなくなるんだから

いいよね。

生き帰れないアンタが

悪いんだからーァ」


「は?何言ってんだ

ダメに決まってるだろうダメ

絶対ダメ‼」

そう叫びながら気がつくと

俺は黒いドームみたいな所

をスーッと上昇していた。


今までの人生が写し出されて

セフレだった彼女達への

仕打ちも見えた。


泣いてる女も居れば

恨み事も呟いている。

アレセフレって承知してヤッてたんじゃん?

何で恨み言なんて言う?

仕事でやり込めた人のその後も

写っていた。


これが俺の過ごしてきた

人生か?

もっと人を幸せに出来たろうに、

そんな反省をしてると

広場に出た。


沢山の花が咲き乱れ

やがてデカい川が現れた。

川岸には沢山の人がいて何故か

その人達の所へ行きたくて

行きたくて仕方がない。




川に足を入れると1人の老人が


「結菜は私の曾孫じゃ

なんでお前が泣かせている

泣き止ませて来い!」

と棒を振り回し追いかけてきた


俺は訳が分からず

来た道を引き返した。


「光寿郎、光寿郎」

悲惨になく結菜の声がした

と思ったら、病室で目が覚めた。


ズキズキと痛みを感じ

それより結菜の赤く腫れた目から

流れる涙を拭っていた。


「先生、先生」

結菜はドタバタと病室を飛び出ると

その数分後

看護師さんと先生らしき人物が

走って部屋に入ってきた。


「もう大丈夫です。」

結菜はふにゃふにゃと崩れ落ちた。









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