第5話 天職について1


 ふむ。【賢者】に【封印神】か。どちらも魔法寄りの|職≪ジョブ≫であるらしい。【賢者】の職は全ての魔法属性が使用可能でありなおかつ新しく魔法を作ることが可能な万能職。ただ【黒土術師】などを始めとする属性型職には少し劣るらしい。そして【封印神】の方は出力制限系統の職。どちらかと言うと魔法やスキルよりでありステータスすら出力を制限できるとのこと。

「新一さまの【|天職≪マスター・ジョブ≫は【|賢者≪ワイズマン≫】に【|封印神≪ザ・シール≫】ですか…。珍しいですね」

 プーレトを俺担当のメイドさんが覗くとそんな事を呟く。

「珍しい?」

 対して珍しいものでもないとは思うのだが。【封印神】の方はあまり馴染みはないが【賢者】の方は割といろんなファンタジー小説に出てくるはずだが。

「【賢者】の方は【天職】としてはそんなに珍しくありません。ただ大抵の場合は何らかの属性特化の職が【天職】として併発することが多いのです。また職の名前に‘神’が入っているものは才能が必要となりこちらがある場合には様々な魔法を操る【賢者】にはあまり見られないのです。例外としては魔法系の‘神’は併発しないことも無いですがそれでも稀です」

 へぇ。まあ能力型の【天職】であるとはいえ魔法では無いのだろうだからそう言う感じになったと。

「それ以外も珍しいと思います。まず【天職】の併発は基本的には同格の職なんです。【賢者】は上級職であり【封印神】は超級職。【賢者】の超級職は【大賢者ハイワイズマン】であり【封印神】は系統無し…つまりは特殊超級職と同種なんです」

 へえ。つまりはかなり奇異のパターンと。まあ予想は付くしな。

「来訪者の場合の【天職】は本来いるべき世界で携わっていたものの場合が良くあります。例えば過去に巫女だった家系の場合は巫女系統の職になるのです。…つまり新一さまの場合は何かを封印していたのでしょう」

「…どうだろうか?俺の場合肉親なんて知らないし」

「それは失礼致しました。まあ参考程度に覚えておいてください」

 そうなると【勇者ブレイバー】はアイツで確定だろう。

「湊は?」

「【剣神】と【超位書記】。まあ妥当よね」

「だな。俺は【賢者】に【封印神】だと」

「…確かにイメージできる」

 マジか。賢き者でも常に自分を戒めているわけでも無いのにな。

「紅葉は?」

「【炎王】と【詩姫】。完全に後衛ね。【緋色】らしいよね」

「だな。姫って合ってるし」

「うん。お似合い」

 そしてその隣に向ける。まあ分かりきってはいるものも一応確認しよう。

「勇は?」

「【勇者】だけだね。それで正しいと思えるほどの可能性を秘めているよ」


名前 柳瀬湊 現職 剣神

天職 剣神 超位書記

上級

中級

下級


名前 緋羽紅葉 現職 炎王

天職 炎王 詩姫

上級

中級

下級


名前 近衛勇 現職 勇者

天職 勇者

上級

中級

下級


※共通汎用技能

言語理解 亜空間収納

※共通称号

異界人

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