第4話 ジョブ

 転移後に居た部屋も窓が無く同じような紋様が広がって居た。

 その事に全員が驚いていた。まあテレポートで見た目的には移動したとは限らない空間に出たのだから当たり前と言えばそうかも知れない。


 ただ。

 何故かこの空間は異様に懐かしい気がする。確実に言えば俺はこの世界を知らないのは事実だ。密かにズボンのポケットに入れていた水晶を砕くも反応しないとはそう言う事のはずだ。“起動”が出来ただけでも儲けモノと考えるべきかも知れないが。

 

 そんな事を考えながら姫さんの後に続く。

「新一如何かしたのか?」

 少し下を向きながら歩き考え事をしながら歩いていたのか勇が近づいていた。

「まあ。さっき変な感覚しなかったか?」

「…お前もか。確かにこう視線は感じた」

「だよな」

 今のコイツでも感じ取れたと言うべきかコイツじゃないと感じ取れないレベルだったと言うべきか。

「ただ新一が反応したと言う事は悪意か」

「…多分な」

 善意や好意を信じきれないというものもあるが基本的に俺の現在の感知能力ではそこまでは深く知れない。そういう風に自分で制限を科しているから。

「こちらで諸処の説明を致します。長時間になりますので出来れば先にお手洗いなどを済ませて下さい」

 

 数分後全員がその部屋に入る。その部屋は講義場のような部屋だがその座席にマルとバツの2つのスイッチがあることから会議場だと予測される。確か国会議事堂は両院ともそんな作りだったはずだ。

 全員が席に着くと入り口から何人のもメイドさんが入ってくる。そのメイドさんたちは全員が全員顔が整っており控え目なメイクが印象に残った。メイドさんたちは俺たち一人に一人が付くと飲み物を注ぎ前に置いた。

「ではまず【ジョブ】についてお話ししましょう。【職】とはその人物が就いている役割を示しており下級・中級・上級・超級・特殊超級・創世級の6つがあります。ですが創世級に関してはこの場では省略させて頂きます」

 つまりは5つ。ただ超級と特殊超級は何が違うのだろうか?

「またそれらの【職】とは別に【天職マスター・ジョブ】と呼ばれるものもあります。【天職】はかなり希少な逸材になりゆるのですが世界の壁を超えた皆様にはほぼ確実にあります。また【天職】及び超級には制限がありません」

 ようはどれだけでも就けるのがその2つのメリットと。ただ超級及び特殊超級には先着1名という縛りがありその職をリセットするか死ぬかしない限りはずっとその人の【職】になるらしい。

「特殊超級はそれぞれに特殊な家系であることが必要です。例外は【英雄ヒーロー】。【英雄】のみは完全に才能が優先されるのです。また異世界召喚の場合は【勇者ブレイバー】となります」

 【英雄】と【勇者】。基本的にはこのどちらかの特殊超級が【魔帝】を討つことが多いらしい。その次が【聖剣王】。また【英雄】と【勇者】が欠ける場合には【先導者】が討つこともないことはないらしい。

「また【職】には就ける制限と最大レベルの制限があり下級から順に6職で50レベル・2職で100レベル・1職で500レベルの計1000レベルが本来の限界です。ただ超級・特殊超級・【天職】に関してはレベル上限がありません」

 なるほど。それはかなり貴重な逸材である。こと【天職】に関してはかなりヤバイはずだ。

「ただ本人の素質というものもあり確実にそこまでの才覚があるとは限りません。人によっては500に届かない可能性すらあります」

 そしてそれら全てを覆すのがあれらだろう。

「そして七大罪の名を冠した職…【魔王】は就職の条件が特定の迷宮の攻略です。逆説的にそれさえ満たせば【魔王】になれるのです」

 色欲・強欲・暴食・嫉妬・憤怒・怠惰・傲慢のそれぞれの大罪を冠した職であるらしい。なるほど。それは【魔王】が世代によって支持する派閥を変更させるのはそんな事実があったのだろう。

「ではまず皆さんの【職】を見てみましょう」

 そう言うと姫さんは懐からスマホ大のカードを取り出す。

「これはステータスプレートと言い現在の簡易ステータスを表示します。既にメイドには配布しているので彼女らからプレートと針を使って登録してください。血は一滴で十分ですよ」

 それを後ろで控えていたメイドから針とプレートを貰い血を一滴落とす。するとプレートが一瞬だけ光るとこう現れた。


名前 前原 新一 現職 賢者

天職 封印神 賢者

超級

上級

中級

下級


汎用技能

言語理解 魔導解析 魔導制御 無限収納 

称号

異世界人 封じる者

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