おひるやすみ

キーンコーンカーンゾーン キーンコーンカーンビー


「やったーお昼ゾビよヒト美。お昼ご飯食べよゾビ」

「はいはい、分かったわよ……ゾビ」


 お昼のチャイムが鳴り、教師が教室から出る前にクサ美が ガタゴト と机を動かして私の机にくっつける。

 他のクラスメイトも思い思いの場所へ移動してお弁当を広げていたり、教室の外へ行ったりして様々だ。


 「今日は凄いんゾビよ! なんと神戸牛のホルモンゾビ!」


 クサ美はそう言いながらクーラーボックスから良く冷えたピンク色の肉塊を取り出し、机の上に並べる。

 ゾンビは臓物が主食であり、なるべく新鮮な物を好むとされている。

 本当は普通の食事もできるみたいだけれど、ゾンビによっては消化器官が無いから食べると言っても食感を楽しむ事がメインで栄養については全く考えなくていいらしい。

 食欲も生きた人間を目の前にさえしなければ我慢できるレベルらしく、何も食べなくても活動できるのはエネルギー革命だとかなんとか言われている。


「ヒト美ちゃんは何ゾビー? あ、普通のサンドイッチゾビ!」

「たまにはこういうのもいい物よ……ゾビ」


 一方、私はちゃんと内臓が揃っているおり、食感だけでなく味覚もちゃんと機能している。

 なので普通の食事を取っているのだけど、ゾンビの中にも普通のお弁当を食べたがるゾンビが居たりするので不自然には思われていない。

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