ほーむるーむ

キリーツ レーイ ゾービ


「みんなおはようゾビ」

『『おはようございまゾビ!』』


チャクセーキ ガタガタガタ ポロッ アッ、ウデトレタ


 もう高校生だと言うのに、まるで小学校低学年の教室かの様な元気いっぱいの挨拶を終えホームルームが始まる。

 ちなにみ、腐理くさり高校は教師陣どころか用務員もみんなゾンビであり、ついでに腐理くさり高校前駅の駅員もゾンビで、制度だけじゃなくて存在そのものが正しくゾンビの為の学校だ。


「ゾービ、ヒト美ー。聞いてるゾビかー?」

「え、あ、はい。聞いてます……ゾビ」

「本当ゾビかー? 寝不足でボーっとなんてしてんじゃないゾビぞー? 目の下の隈が逆に健康的ゾビぞー?」


アハゾビビー!


 ホームルームの内容を聞かずにぼーっとしていたのをゾンビ教師にゾンビジョーク混じりに注意され、クラスの笑い者になってしまった。

 目の下の隈は本来ならば寝不足で出来るものらしいけど、ゾンビは何故か寝不足関係無しに目の周りが黒くなっている。

 なので私もわざと目の周りに隈を書いてゾンビの振りをしているのだけど、その隈の書き方が浅いとこうやって逆に健康だなとゾンビジョークでからかわれるのだ。一体何が面白いのか全く分からないが、ゾンビにとっては面白いのだろう。多分。

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