12頁

本当 こんなことってあるんですね

あたしが鴨だったころですけどね

あっ そのお話は今度にしましょうか

あたしの寿命が こと切れるようで


ほら 向こう 鬼さんが迎えに来ましたよ

真っ赤な顔してね 怖い顔だね~しかし

うわっ 何しやがるんだ まったく

何 この人 お宅さんのお仲間?


あたしの脳みそ 吹っ飛んじゃったじゃないですか

ただでさえ 馬鹿だ 馬鹿だて言われてんのに

だから人間は嫌いだってんですよ

どうしてくれんです もっと馬鹿になっちまったら


全く 良い気がしないね

殺す方も 殺される方もね

お宅さん達 根っからの人間はどうかしてるよ

こっちは 文句言われる筋合いないってんだ


あたしゃ 金輪際こんりんざい 人間はまっぴらごめんだね

お宅さんもね こんな無益な殺生せっしょうは止めるこった

お互い 良い気がしやしね~や ね

じゃ お先に ご免なさいよ


            おしめ~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無益な殺生 苔田 カエル @keronosuke3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ