幕間1

「この子の名前はどうするの?」

「カーリーで良いんじゃないですか?どういう意味か分からないですけど、そういってたし」

「えー、でも、本人が否定していたじゃない?それをつけるのはどうなのよ」

「じゃあ、先輩は何かアイデアがあるんですか?」


 マンションをでて、事務所へ戻ってきたところである。

 浅葱も車で来ていたため、車中で会話するというわけにはいかなかったのだ。帰る途中でウニクロで少女の服も追加で調達してきたので、二人は両手一杯に袋を下げている。それを事務所の机の上に広げて、値札やタグを外して畳みなおしていく。


「そういわれると中々出てこないけど…」

「じゃあ、皐月とかどうです?」

「睦月にちなんで?まあ発想は悪くないけど、いま12月だよ。かといって、師走とか言ったら怒るけど」

「別に良いじゃないですか。そもそも、僕も1月生まれじゃないですよ」

「そういえば、そうだったわね。睦月君の鉄板ネタ」

「別にネタじゃないですって。それに、妹も7月生まれじゃないですからね」

「文月ちゃんか。やるわね如月家。まあ、そうなってくると、この子が皐月でも良いけど…いやいや、なんだかそれはとっても寂しいじゃない。私的な要素が一個も入ってないし」

「なんですか、それ。必要ですか?」

「必要よ!共犯者としては、そう…例えば萌葱ってのはどうかしら」

「逆に僕の要素を消し去るわけですね。別に良いですけど。それに、萌葱っていうもいいですね。可愛いじゃないですか?。萌葱も浅葱と同じで緑系の色でしたっけ。瞳の色も緑だし、案外良いかもしれないですね」

「うぅ。そういわれると何だがむず痒いわね。でも、そうよ。この子、思い切りヨーロッパ系じゃない。皐月も萌葱も完全に日本人っぽいじゃん」

「別に良いんじゃないですか。うーん、それじゃあ皐月改めメイとかどうです」

「いやいや、それはハヤオに怒られない?」

「なんで怒られるんですか」

「大丈夫か…。うん、そうね。メイちゃんか。悪くないかも。ねえ、君はどう思うの。メイでいいかな?」


 少女の視線に合わせて問いかける。


「メイ…メイ…?」

「そう、君の名前」


 言葉の響きを確かめるように、小声で何度も名前を口にする。どうやら気に入っているようだと睦月と浅葱は顔を見合わせて笑った。


「よし、じゃあ、君は今日からメイちゃんだ!!」


 と、浅葱が宣言して少女の名前が決定した。


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あとがき


読了ありがとうございます。


すみません。

第一話に進むつもりが、一ネタ挟ませて貰いました。

天使の名前はメイに決まりました。


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引き続き宜しくお願いします。

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