準備
学園生活が最大の楽しみはやっぱり、修学旅行では無いだろうか。
「今日も、行かないのか?」
「うん、行かない」
凛空はあれから数日学校には行っていない。
A組の教室には、40もの机があるのに教室には、15、16人くらいしかいない。Aクラスは自由登校なのだ。しかも座る位置も自由。
本当にAクラス自由なのだ。俺は1番左後ろの窓際に座った。
「みんな、座れ。今日は、来月待ちに待った修学旅行についての話をする。まず行動班は、何人でもいい。部屋は、一部屋4人までこれも適当でいい。あと、帰りにしおりを配るから俺が忘れてたら、言ってくれ。では、授業を始める。」
カバンから筆箱を出そうと手を突っ込んだが、筆箱の感触がなかった。
「まじかよ、筆箱われたのか?」
小さい文句を言っていると右肩をたたかれ、シャーペンやら一式持った左手がそこにあった。顔を見ると楓さんが座っていた。
俺はそれを受け取り、ありがとうといい授業にもどった。授業が終わり、楓さんに俺は話しかけた。
「ありがとうたすかったよ。この恩は忘れないよ。」
「いえ、当たり前のことをしたまでです。ただ、恩を忘れないというなれば放課後すこしお茶をして頂けるとうれしいです。」
「あ、あそれくらいなら」
そして放課後、俺は凛空にメールを送り楓さんと駅前近くのカフェへ行った。
「お茶に付き合っていただきありがとうございます。ちょうど太郎君とは、話がしたかったの。」
「はなしって?」
楓さんは、持っているコップを机に置き俺の顔を見た。
「私、太郎君と同じ中学だったんだけど分からない?」
俺の頭は数秒間フリーズし、フリーズ後はものすごい速さで中学の同級生から、楓さんをさがした。
「いや、俺の記憶では楓さんみたいな綺麗な大人の女性はいなかったはず、、、」
楓さんはお茶を1口飲み
「そう、さすがに分からないわよね。たった半年同じだった図書委員なんて。」
図書委員の記憶を俺はフルで思い出したが楓さんはみつからない。
楓さんは、カバンからレンズが厚そうなメガネを出しかけた。
俺はそこでおもいだした。黒髪でいつも、本ばかり読んでた本好きのあの子を。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます