写真と思い出

朝霧 陽月

写真ができたよ

「ねぇ、雄太くん一緒に海に行ったときの写真が印刷できたよ!!」


「本当だ、よく撮れてるな」


「この時はホントに楽しかったよね」


「はしゃいだお前がつまずいて、知らない人にかき氷をぶちまけた時は本気で慌てたけどな」


「……私ってホントに馬鹿だからさ」


「ああ、そうだな本当に……」


「楽しい毎日がずっと続くと思ってたんだ……」


「………………」


「雄太くんがこんなに早く、突然居なくなるなんて思っていなかった……」


「俺だってこんなに若く死ぬなんて思ってなかったからな」


「こんなことなら、もっと好きだって言って……もっと色々な場所へ行って……もっと…………うっうっ」


「お願いだ、泣かないでくれ……」


「ごめん……ごめんね雄太くん……」


「今の俺じゃその涙を拭ってやることすら出来ないのだから……すまない七海……」




「それじゃあ、お墓参り必ずまた来るからね」


「もう来なくていい、死人ばっかり気にするのは止めろ……」


「ほら、ずっと代わり映えしない場所だと雄太くんも寂しいでしょ?だから綺麗な花を持ってこようと思っててねー」


「ムリに明るく振る舞うのはもう止めてくれ、七海……お前のそんな姿はもう見たくないんだ……」

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写真と思い出 朝霧 陽月 @asagiri-tuyu

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