第23話 甲子園の次は学園祭!?

凍夜は暇をしていた。秋大までまあ時間があるので、他の部員は練習しているが

凍夜はなるべく休むように言われているので、休日は病室にいた。

でも、今までは一人だったが、今は部活終わりにめぐみがやってくる。


「凍夜!」

「おいいきなり抱き着くな」

「いいじゃない今から子作りするんだし」

「今日はしない」

「なんで?」

「あとで早苗が来るからだ」

「そうなんだ。でも、お母さんの前でもすれば」

「できるか」

「もう結婚はしてもいいって言ってくれてるじゃない」

「だとしてもだ」


めぐみは凍夜と付き合う事を早苗に伝え、承諾してくれた。まさか凍夜に

恋人ができるんなんて思ってもみなかったからだ。しかも、子供を

作って凍夜との関係を切らない事も話すとすぐに子供を作るようにと

押されたが、さすがに二人は学生なので今はあまりしないように

話した。それでもできたらしかたないとも言われていた。


「学園祭?」

「ええ。甲子園の熱がすごすぎて忘れられてるかもしれないけど、うちの

学園は10月の終わりに学園祭があるの。今は9月の半ばでクラスで

何をするかを決めてるはずなんだけど」

「ああ。そういえば放課後に何かクラスで残ってたな」

「凍夜は今は世界中で注目されてるからね。クラスの皆はあなたをメインに

して何か進めたいと思ってるはずよ」

「野球以外で目立つのもめんどうだな」

「嫌でも目立つわよ。何をしてもね」


めぐみは凍夜にキスをした。結局そのまま子作りをしてしまい途中で早苗が

来たが、早苗が続けていいと言ったのでめぐみは遠慮なく続けた。


翌日、凍夜は学校でクラスの連中に学園祭の事を聞いた。どうやらまだ何を

するかを決めてないらしい。なので放課後、クラスで何をするか決める為に

凍夜もホームルームに参加する。


「演劇?」

「うん。長峰君を主役にしてさ、野球が舞台の劇をしたいなって」

「却下だ。俺は演劇なんかせん。それと俺を主役にするのもやめろ!

俺以外の奴が全員影になる」

「影?」

「目立たなくなるって事だ。俺の事は考えなくていいからお前ら

好きな事しろ。俺もサポートぐらいはしてやる」


そう話し合うが、凍夜を主役にできないとなるとそれでまた何を

するのかを迷う事になった。


そんな話し合いは数日続き、それでようやく凍夜のクラスは喫茶店を

する事にした。しかも、普通の喫茶店ではなくメイド喫茶にする

らしく、女の子達は楽しそうにしていた。凍夜は誰より料理もできる

のでその凍夜の料理をメインにしようと話が進み、結局凍夜が

メインになってしまっていた。しかも、作る側だけではなく凍夜の

イケメンをいかして執事風の衣装で接客もするという提案も出された。


部活も学園際までは時間を短くする所もあるので、野球もあまり

練習はできなかったが、短い時間でも凍夜の地獄の訓練なら

関係なく皆のレベルは上がっていく。

部活終わり、遙達と一緒に凍夜もファミレスに向かった。


「メイド喫茶やるのか?お前のクラス?」

「ああ。面倒だがな」

「でも、喫茶店は他のクラスでもやると思うが、メイドつきなんてな」

「ああ。見て見たいぜ」

「あまり部のイメージを悪くしないでね。凍夜以外でも野球部って

だけで皆注目されてるんだから」


一緒に来ていためぐみが皆に注意をする。


「ねぇ凍夜はメイド好きなの?」

「さぁな。そもそもメイドが何かが知らん」

「いいか長峰、メイドって言うのはな」


と以外にも遙が語りだした。どうやらそういうのが好きらしい。野球では

真面目だが、私生活ではどうしてるかを知らなかったので凍夜も他の

部員達も新鮮だった。なので遙達はこれを機にもっと仲良くなろうと

色々と自分達の事を話し合ったりした。しかも、ここには一年だけ

だったので話しやすかった。

凍夜はずっと聞いているだけだったが。めぐみや遙が凍夜にゲームや

漫画の事などを話して興味をもたせようとした。


そうしてファミレスを出てその場で解散した。凍夜はめぐみを駅まで

送っていくが、その途中で車から誰かに声をかけられた。


「長峰君!」

「!?なんだあんたか」


やってきたのは天音絵里だった。その絵里は凍夜を見かけたので声を

かけたが、それよりも隣にいるめぐみが気になって話かけた様だ。


「あなたマネージャーよね」

「そうよ。そういえば、うちになんどか来てましたね。話すのは初めて

ですけど」

「ええ。私は天音絵里。彼の許可を得て独占取材できるアナウンサーよ」

「独占ってそんな許可したの?」

「ああ。もちろんタダじゃないがな」

「まったくもう。それであの事は?」

「そこまでは話してない」

「そうならよかった」


耳打ちする感じで凍夜に聞いているめぐみ。


「ねぇ今から食事に行かない?甲子園の事ももっと聞きたいし」

「悪いがさっきファミレスに行ったばかりでな。ま、俺は食えるが」

「ダメよ凍夜」

「凍夜?名前で呼ぶほど仲が良いの?あなた達」

「ええ。でも、これ以上は言わないわ。あまり凍夜の事は知らない方が

いいから」

「そうはいかないわよ。せっかく世界中で注目されてる人と知り合った

んですもの。聞ける事は聞くわよ」

「わかった。じゃぁめぐみを送ってから付き合おう」

「凍夜」

「大丈夫だ。俺がペラペラ話す奴に見えるか?」

「わかったわ。じゃぁまたね」


めぐみは駅の中に入って行った。それから絵里と別のファミレスに

行き、凍夜は絵里におごってもらえるので、その店のメニューの

9割を注文し食べた。


「本当にさっき食べたの?」

「ああ。俺はいくらでも食べれる」

「でもそれじゃ体重が」

「どれだけ食べても体重は変わらん」

「う、うらやましい。やっぱり運動すれば増えないのかしら」

「それは俺だけだからあまり考えない方がいいぞ」

「そ、そうね。でも、うらやましいわ」


と普通に取材以外の話もしたりしながら凍夜は絵里と過ごした。

途中まで送ってもらい、そこからは歩いて帰る事にした。


「本当にここでいいの?」

「ああ。一応食べた後だからな。歩いた方がいい」

「た、確かに。私も歩こうからしら」

「それは家に帰ってからにしな。じゃぁな」

「ええ。お休み。色々話してくれてありがとね」


凍夜は野球の事ではなく今度の学園祭の事を絵里に話、絵里はその

学園祭を取材しに来ると言った。


その学園祭の準備をする為、放課後は部活の前に教室で凍夜が

その時に出すメニューを作り皆に食べさせた。


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