血塗られた歴史の一幕

 栄華を極めんとする男は悪魔の力を借り、ついにその目的を全うする。しかし、その裏では敬虔な信者がその信仰心を利用され、犠牲となっていた……ここまで後味の悪い話は久しぶりでした。ダークな世界観に嫌でも引きずり込まれる、まさしく「魔力」を持った作品です!

 簡潔な言葉で俯瞰的に状況を説明してくれているので、しっかりと世界観を理解した状態で物語に集中して読むことができました。政治劇は登場人物の周囲の描写だけだとなかなか解りにくいこともあるので、ストーリーや世界観に即した表現だったと思います。