第34話 シルバー人材派遣

 クライス(師匠)は、兄弟二人が出ていった家に独り……コーヒーを口に含み……質素な木の椅子に腰掛け、窓から見える前の庭を見る。


 ヤーンとゼオがよく柔軟や鍛練に使っている木が見える。

 二人は良くその木で脚を伸ばしていた。


 数日で、一人は前線に、一人は王城に……急に静かに成った……彼等二人が来る以前、寂しさを感じた事など無かった。



 ……長い様で、短い十数年……


 おそらく、ゼオも試用期間が終われば、王城に常駐となる。クライスの家に戻って来るのは、夏と年末年始の長期休暇の時だけに成るだろう。


『また、気楽な独り暮らしに戻った……』

コーヒーを飲み干し、カップを洗い場に持って行く。

 元はこうだったのだ、静かに独りで余生を暮らす……若き日の暗殺家業はクライスの心に濃い影を落としていた……その頃、クライスは何事にも関せず、闇の中に消え失せ様と隠居暮らしを決め込んでいた……そんな中で、二人は明るき日常を疑似体験させてくれた……今になって気付くのだ……


 隻腕で、

 小柄で、

 貧弱で、


 クライスは表だって剣匠としてはやって行けなかった。

 王城で働くにも、見映えと云うものが有る。

 王城への門番・親衛隊等、それなりの体格を要求され、偉丈夫 美丈夫であれば尚良い。

 そしてクライスは当たり前だが、そこから洩れた……かといって、剣術道場も手に余る。

 表の剣術など、知らないからだ……

 彼の師匠も、クライスに表の剣術は教えなかった……代わりに、裏の……闇夜で暗躍する、真に漆黒な技術を教えた……

 クライスの師匠からの教えはすべて口答だった……文書の類いも全く無く……クライスがメモする事を絶対に禁じた……それは今も護っている。


 ヤーンとゼオにも一切の書類は残さない……書かせない……それ程どす黒く……書くも憚れる技術だからだ。


 そしてヤーンとゼオには未だ、全てを教えていない。

 それでは、この技術が継承されずに、絶えるという事も有るのではないか??それで良いのか?


 ……と訊かれれば、「構わぬ……」とクライスは答えるだろう。この様な下衆な技術が時代と共に消えていっても構わぬ……忌避する技術だ……クライスは本気でそう思っていた。


 暗殺術(暗器術)

 潜入術

 拷問術

 罠術

 変装術(擬態術)

 毒薬知識

 人体理解

 心理学

 その他にも……数限り無く……ほぼ、戦いを円滑に進める為に必要な全て。


 この全てに、善悪の基準は無い……

 どれだけ残酷でも、卑怯でも、下品でも、効果的ならば『全て有り』だ。


 そういう技術だ。

 仕方無いが、クライスがヤーンとゼオに教えられる技術はこれしか無い……そして、嫌な予感だが、クライスは兄弟に、それを教えないといけないと感じた……これはクライスの暗殺家業から鍛えられた、勘働きだった。


『この子達は、恐らく……生死に関わる、事象に巻き込まれるかもしれない……』クライスは彼等と出会ったあの頃、初めて広場でゼオに呼び止められた時唐突に、そう感じた。


 尋常で無い、兄の殺気を感じる能力……

 初めて見た、弟の鬼を見る能力……


 そんな、能力を活かす事象に巻き込まれるだろう、巻き込まれるから、その様な能力を彼等は得たのだ……クライスはそう考えた。


 だからだ……だから、私は二人に自身の技術を可能な限り教えた……まだ十分では無いが……


 二人が生きて帰って来きて……まだワシが生きていたら……教えてやろう……


「いつまで、そこに居るつもりかな??」クライスは玄関に呼び掛ける……ゼオにより閉じられた玄関からは何も見えない……


 玄関が静かに開く……小柄なクライスと同じ位か、更に小柄の男が立っていた。


「流石」男は一言……


 ……隙が無い、何か攻撃されれば、弾ける様に、跳んで避けそうな、小柄だが全身が筋肉で覆われているのが判る。


「おおぅ、そなたの事は存ぜぬが、盗賊ギルドの者かな??」クライスは尋ねる。

「仕事を頼みたい、私怨だ、殺して欲しい男が居る」男はクライスの質問を無視して話す……そしてスルスルと家の中に入る。恐ろしい程、音がしない。

「私怨で、殺しとは穏やかでは無いな……」クライスは無視された事を気にせず答える。

 ドサリと小さな頭陀袋をクライスのテーブルに放る……頭陀袋の口から金貨が見える……結構な量だ……

「これでヤって欲しい……」小男が続ける。

「殺して欲しいヤツは、マクシミリアーノ・シェファー 貴族専用のブティックを経営しているギルバート・シェファーの次男坊だ……」

「成る程、しかし、ワシの話は誰から訊いたのかな???」

「ヨミ……」小男はボソリ。

「……う~ん……ヨミ、あやつには仕事を辞めたと重々伝えた筈だがな……」クライスは独り言。

「俺が無理強いしたのだ、ヨミは悪くない」小男はヨミの肩を持つ。

「まぁ、構わんよ、あいつが受けたのなら、其れだけの事情なのだろう」クライスは手をフリフリ。

「俺の妹が侮辱された……妹は春を売っていた……マダムシェリーの店だ」小男は訥々と話す。

「……上級娼婦の店だな……侮辱されたとな……立ちんぼ、ならば分からなく無いが……マダムシェリーの店ならば客を選べるだろう……」良く判らない……一括りに娼婦といっても、キルシュナには様々な娼婦の形がある。


 立ちんぼ:一人で道端で客を取る、最下層の娼婦

 店付き:店で雇われた娼婦、上前をはねられるが、待遇はマシ


 大まかにはこの2種類。


 マダムシェリーの店は店付娼婦の中でも最上位に位置する……上級娼婦と呼ばれる嬢だ。

 貴族や金持ちを満足させる為に、床の技のみならず、舞踊、芸術、話術、歴史、までも学習し、宴や酒の席等で、十分に貴族や金持ちを饗す事が出来る。

 上級娼婦は一流の教育を受けた、洗練された女性であり、文化的教養を身に付けたある意味、知識人だった。


 この様な、上級娼婦は、金さえ出せば体の関係に成れる訳ではなく、娼婦に相応しい相手であるかを調べ、その条件に合格した者だけが、嬢と肉体関係を持てる。


 客が嬢を選ぶのではない。

 嬢が客を選ぶのだ。


 だからクライスは不思議だったのだ。

 余程の事が無い限り、上級娼婦が侮辱される訳がない。

 そうなる以前に、その様な人物が嬢の前に来る事すら無いのだ。

 小男は更にクライスに一歩、歩み寄り話始めた。

「その次男坊だが、金にものを言わせて、妹を身請けしようとした……が案の定、金しか魅力の無い次男坊は、ようやく開かれた妹との初の宴にて、妹の顔や身体を触り、あまつさえ秘所の具合まで訊く始末……余りに不粋……下衆極まり無いとして、次回からの逢瀬は無しとして、やんわりと追い出された……」小男は拳が硬く握られる。

「其れほど……憎いか……」クライスは未だに半信半疑だった……この小男には悪いが、侮辱された程度で……相手を殺すなど、やり過ぎに思える……ただ、この目の前の小男の怒りは本物だ……どうすればここ迄……

「……禿(かむろ)の頃から、妹の為にその身を削ってきた男がいた……名をケリイと言う……幼い頃は下足番として、大きくなれば、傘差しとして妹の側で一生懸命に働いていた、俺はいつも二人を見ていた、可愛い二人だった……」話がいきなりズレた……小男は相変わらず下を向いている。

「妹は、その次男坊に犯された……無理矢理……だが、妹は気丈だ……それでも誇りを持ち、マダムシェリー店でいつも通り働いた、その様な屈辱も、あの子の魂を折る事は出来ぬ……だが、ある噂により、ケリイは……」小男は一息つく。

 小男の怒りに任せた理論的ではない話だが、クライスはようやく、事情が観えてきた。

「ケリイは妹を好いていた……いや、だからと言って、仕事を越えて、男女の仲に成る事など……そう言った素振りさえ、全く出さずに妹に尽くした……本当に、ケリイはただ、妹の幸せだけを望んで……そんな関係も在るのだ……」小男は言い淀む……床を向いた顔は見えない……肩が震える……それでも決心したのだろう、クライスを見て話す。

「あの次男坊は、ゴロツキを金で雇い、妹を無理矢理犯して……結局、身請けもせず……妹の身体や、特徴を、言いふらした……『高名な上級娼婦だそうだが、下の具合は下級だな……』『顔は見れるが、アチラの見た目は……』『あんな身体なら、クレメンス伯爵婦人の方が良かった』等、ありとあらゆる罵詈雑言、自身が宴より追い出された腹いせに……訊くに堪えぬ……噂はあっという間に広がった」小男は泣いていたが、顔は怒りに満ちていた。


 ……知らなかった……クライスは首を掻く……

 そうだ、隠居して顔を会わすのはあの兄弟と八百屋の主人程度……道理で世辞に疎くなる筈だった……

「そりゃ、あの界隈の好き者達からすれば、酒の肴にもってこいの話だな……」クライスは頷く。

「そうだ、その様なゴシップ、あの色街では秒で広まる……数日で知らぬ者は居ない、界隈中で一番のネタになったさ……」

「それで、殺して欲しいか??」クライスは尋ねる。

「……それだけでは無い!!先程言ったケリイの事が有るのだ」思いの外大きな声で、小男はクライスの質問を訂正する。

「妹は気丈だ……その様な悪評、切って棄てた……何事も無く、いつも通り、それが上級娼婦の誇り……」

「だが、妹の横で、何時、如何なる時も観ていたケリイは……」

「……その次男坊に、苦情でも言いに言ったか??」クライスは小男が口ごもった後を引き続ぐ。

「ここからはケリイから訊いた話だ……ケリイは今までの罵詈雑言を撤回して欲しい……あくまでも低姿勢に言いに行ったらしい……最下層のケリイと、貴族御用達の大金持ちの次男坊だ……普通なら、会話する事も無い……だからお願いしに行った……独りで……誰にも言わず……妹にも言わず……ケリイは妹の名誉を回復したかった」

「……だろうな……」クライスは合いの手を打つ。

「案の定、金で雇われたゴロツキどもに殴られ、蹴られ、引きずり回され、次男坊の前に放り出されたそうだ……地面に突っ伏しているケリイに次男坊はこう言ったらしい」

「お前は、娼婦付きの小間使いか……お前も将来は、女郎を束ねて上前を跳ねるのだろう……何とも卑しい家業だなぁ……」そして、手に持った金槌で、ケリイの股間を潰した……何度も何度も……ケリイは途中から気を失って覚えていないそうだ。

「『亡八者だよなぁ、徳も無いなら、欲も潰しておいてヤるよ……その方が商品に手ぇ出さずに済むだろ……』痛みに気を失う間際、ヤツが言った最後の言葉がコレだ」小男はクライスを真っ直ぐ見る。

「次の日、ケリイは色街の入口門に裸で吊り下げられていた……最初、ケリイだと気が付かなかった……何か黒いモノが無数にへばり付き、蠢き……それはまるで黒いミノムシの様だった……だが、そこから1羽、飛び立った時、判った、それは無数の烏だった……ご丁寧に顔にも急所にも身体全てに肉汁を塗りたくられ……烏が啄いていた……顔すらもう……形を成さぬ……股ぐらは跡形すら無い……それでもケリイは微かに生きていた……」床にボタボタと水滴が落ちた……後から後から……

「俺には、妹もケリイも貧しい境遇でも、真っ当に生きて来たと……端から観ていても……あの欲に塗れた色街で……いくら身体は汚れても、心までは……俺は二人が眩しかった……汚泥で咲く蓮の様に……」小男の言葉は途切れ途切れ……

「しかし下ろされたケリイのその姿を見て、妹の気持ちはとうとう折れてしまった……それまでは妹は俺にこう言っていた、『自分を蔑むなら、蔑むが良い、気にもせぬ……無き事として、葬むる、何事もなく……』そう気丈にも言っていた……それが、ケリイを見た瞬間に……」小男は涙を拭う。

「妹は……子供になっちまった……ずっとケリイの側にいて片時も離れない……罵詈雑言の事も、何も、もう全て判らないみたいだ……ハハッ……もう妹は戻らないのかな……もうしかしたら、妹にとっては今の方が幸せかも知れない……」小男は泣きながら口許を上げる……それが無理して笑顔を作っている事に、クライスはしばらく気が付かなかった。


「……あぁ……あぁ……来たよ……来たねぇ……汚たねぇ……汚たねぇ……どうもねぇ……どうしようもねぇ……」クライスは呪文の様に呟く……部屋の温度が下がった気がする。

クライスから表情が消える……

いや、消えると言うより、冷える……凍える……表情……


クライスは想う……

今まで散々見た輩だ……そう、何度も見た……

そいつらは今際の際まで、下衆だった……

そういう人間を沢山観てきた……

傷つけ……そして終わらせてきた……

葬ってきた……怨まれてきた……

ワシの後ろを金魚の糞の如く……

ずらずらと……増やした……


 クライスの目が薄く……小男を見る……

「そいつ……どうしようか……」平坦な物言。い……小男は「ビクッ!」としてクライスを見る。

「あっ……あんたは……」小男の声は小さく消える……

『邪悪……』言葉には出せなかった……言えば自分も殺される気がした……クライスの恐ろしい程、深い黒色の瞳が小男を観る。


 小男はもう一度クライスを観る。


 隻腕

 小柄

 貧弱


 この男を形容する言葉に、良い所が無い……なのに、ただただ、恐ろしい……この男は……


 小男自身、クライスが予想した通り、盗賊ギルドに属している。

 腕に覚えもある、荒事も幾度となくこなした。

 今まで生きている事が僥倖と思える……其れほどだった……そんな自分でも怯む……

この男は……面と向かって見るのも気持ちが磨り減る。

「これだけの金貨を頂くのだ、そちらの要望には応えねばならん」頭陀袋を見ながら話した。


……クライスは上目遣いで小男に視線を送る……


……小男には死線に感じる……


クライスは少し微笑して続ける……笑顔のクライスに小男は少しホッする。

「あぁ……それで些末な事だがお訊きしたい……もしやだが、今までの話に嘘は無いかな……ワシは嘘が嫌いだ……ワシに影響が無い嘘でも、嘘は嘘……今一度、確認を取る、今の話に一編足りとも、嘘は無いな……」クライスの言葉には小男は震える……本当に怖い……足が震える……からくり人形の様に首を縦に振る。

「……それは良し……了解しました」クライスは小男に礼。

その後、片手で頭陀袋を振る。

「ほぅ、結構な量だ……相当の苦痛を相手に与えねば、過剰報酬にも成りえる……如何致そうか??」

「だが、ワシは既に老境に入り、身体もままならん、余りに法外な要望には答えられんかも知れぬが、赦してくれ……ただ、ヤツには1つだけ後悔させよう……」クライスは俯く……静かに話す。

「もう一度、そなたの妹に会う手前まで、人生を巻き戻せないか……出来る事なら、今の様な罵詈雑言も、拷問もせぬ、音便に何事も無く、妹君と別れようと……そう心に誓いたくなる……そうしなかった自分を死ぬ程、後悔する様に……」クライスは顔を上げて小男を見る。

「それをイヤという程、痛感させてから殺そうか……それで良いか……」クライスの顔を見て、小男は震えながらもクライスを静かに見つめる……顔をクライスから逸らさない……そして頷く。


「あい、判った……」クライスは膝を打つ。


「……では、お別れだ……必ずや貴方に代わり復讐を果たす、妹君やケリイ君でしたかな……ワシにはお二人の無念や痛みを解消する事は出来ぬ……それは何を持ってしても出来ぬ……お二人が、これからの人生を費やして立ち向かうしかない……復讐は何も産まぬ……何も変わらぬ……何も得られぬ……それでも、そなた達が、本の少しでも前を歩く手助けに成れば……それ位しか他人には出来ぬ……変わるのは当人にしか出来ぬ……その程度……」クライスはぼそぼそと、しかしはっきりと話す……小男は何度も頷いていた。


 小男は、クライスの家を出て、何度も振り返り、そして徐々に小さく……そして、街角に消えて行った……


 クライスは、台所に向かい、湯を沸かした。

 久方に喋り過ぎた……沸いた湯で、またコーヒーを淹れる……カップを2つ用意する……コーヒを淹れたカップ2つをテーブルに置く……1つは自分……もう1つは誰も居ない対面の椅子の前に……


「ヨミ……」クライスはコーヒーの匂いで鼻を鳴らしながら言う。

「すみません……」玄関扉の影から細身の男が現れる……クライスよりかなり若い……椅子に腰掛ける。

「構わんよ……確かに、お前が受けただけの事は在る……」クライスは独り言。

「本当に殺しますか……」ヨミと呼ばれた男が訊く。


「死ぬにも色々有るよなぁ……」クライスは嘯く。


「……」ヨミはクライスの真意を計りかねて無言。

しばらくして、自身の仕事を思い出す。

「今回の案件の登場人物を私からお伝えします」そう前置きしてヨミは話始めた。

「まず、小男はクライス様の推理通り、盗賊です、かなりの腕利きでローと言います、彼は、刃傷沙汰に成る事を特に嫌い、今まで登録上の殺人は0人、義賊は言い過ぎでしょうが、隠密行動に長けた人物の様ですね……そして妹君の名はマリアンヌ、上級娼婦でマダムシェリーの店で一、二を争うパトロンを持っています……最後は、これはご存知ですね、マリアンヌの付き人で幼なじみ、ケリイです……」そしてヨミは深呼吸して続ける。

「これが、被害者側、これからは加害者ですが、マクシミリアーノ・シェファー、貴族御用達の衣料店の次男坊……甘やかされてすくすく育った阿呆……街のゴロツキ数人を金で囲って、自身の親衛隊の如く使っています……これが、この事件の主な登場人物です」ヨミは腰から水筒を取り出し一気に呷る。

クライスはじっと黙ってヨミの話を聞いていた……その後ヨミの話が終わっても、無言で、無表情……石化したのか??と思う程……そして突然……

「お前は、金持ち次男坊の周辺を調査、掌握しているゴロツキ、次男坊の交遊関係、交際関係、その金持ち一家の背景、最後にマダムの店が、何故、クズ次男坊を妹君に逢わせる羽目になったのか??断れなかった理由は??金を積まれた以外に無いか??調べてくれ……期限は今週末……」矢継ぎ早にクライスはヨミに依頼。


「承知しました」そう言うや否や、ヨミは外に向かい歩いていった……


しばらくヨミが出て行った玄関を見ながら……


クライスはまた考え込む……そして顔を上げると一言。

「なんだ……コーヒー折角淹れたのに……」湯気が立つカップを恨めしそうに見ながら、クライスは、自身のコーヒーを一気に呷った。

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