第41話 暇さでは歴代魔王トップに立てるはず 2

 やっと仕事が、と心踊らせる俺に、ラファエルは告げた。


「大森林の開拓をお願いします」


「………………」

 めちゃくちゃ難題押し付けて来やがった。


 大森林といえば、強力なモンスターが多数徘徊する、世界トップランクの危険地帯である。

 その開拓は周辺部と行っても危険が多く、大規模な開拓隊が組まれるのが常なのだが――。


「何人で?」

「ジュディ様もご同行頂けますなら、ガーライルと合わせて三人ですな」

「とうとうお前は俺を殺しに来たのか?」

「何をおっしゃいます魔王様。私めが魔王様に敵意を抱いたことなど一度もございませぬ」

 

 俺がジュディを召喚したとき、お前が俺に何を言ったか思い出してほしいものだ。

 今回は、本心からその仕事がピッタリだと思っているようだが。

 確かに、やりすぎて周囲に被害を及ぼすことはないが。


 仕事が無いよりマシだろう、やるか。

 

「ジュディは来るか?」

「行きますよ。さすがにいくらあなたとはいえガーライルと二人きりでは可哀相ですから」


 ……アイツと二人きりは絶対に嫌だな。

 相変わらずむさ苦しいガーライルの姿を、俺は思い浮かべる。


「適当に開拓して帰ってくればいいんだな?」

「その通りでございます。緊急の用があれば魔法で連絡いたしますので」

「いるものも用意しといてくれ」

「はっ」

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