第28話 どうせこんなことだろうとは思ったよ 2
「魔王様、気をしっかり持ってください」
「ごめんソーン、アタイが悪かった」
「小僧、そう気に病むでない。人気などあとからついてくる」
「…………元気出して」
式典は終わったらしく、魔界四将軍が部屋の前に揃って慰めてくれるが、俺の傷は深い。
いちど持ち上げられてから落とされると、なおさら辛いのだ。
しばらく部屋で丸まっていた俺だが、
「いつまでうじうじしているんですか。悔しかったら自分の人気を上げたらどうですか?」
やってきたジュディの挑発的な台詞に、やる気を取り戻した。
あいつら舐めやがって、見返してやろう。
「なんか好戦的になりました?」
「しっ! 魔王様は期待が裏切られることに弱いのです」
そんなやりとりが聞こえてくるが、当たっているので何も反論できない。
「ほら、やる気出したのなら次は国葬ですよ。あなたの父親でしょう」
ところでジュディが俺の操縦係を任されているような気がするのは、ただの気のせいだろうか。
「気のせいですよ。さあ、魔界の人たちがあなたを待っ――てないですが、行きましょう」
まあ俺がやるべきなのは座っていることだけだ。
それくらいなら、やらないほうが馬鹿にされる。
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