第20話 新たな魔法と現代知識

 こんにちは、トラウです。

 今日はずっと魔法をいじくっている。この前の、魔法袋の続きのようなものだ。

 次に試すのは、水蒸気爆発。これがうまくいけば、比較的少ない魔力で高威力の攻撃ができると考えている。

 やり方は単純。パチンコ玉ぐらいの大きさの鉄球を温めて、水魔法で包むだけ。

 温めるのは、音魔法を応用してみるつもりだ。音とは空気の振動なので、それを生み出す魔法で物質の原子そのものを振動させる。それによって温度を上げるわけだ。

 まだ試したことはないので成功するかどうかは不確定だが、うまく制御すればいけるはず。

 一回目、鉄球そのものが震えただけ、失敗。二回目、ほんのり暖かくなったかな?という感じ、失敗。ただ、温められることは分かった。三回目、カイロぐらいの温かさになってきた。頑張れば行けそう。ただ、これ以上熱くなると、持ってられないので外で地面に置いて続き。四回目、周囲もほんのり暖かく感じる。少しづつ近づいてきた。


 そして十回目、鉄球が赤くなった。水を垂らしてみると、異臭んで蒸発するぐらいには温まった模様。成功と言っていいと思う。

 ここまで来たら、試すしかないでしょ!ということで、周りに結界を張って、鉄球を投げ、温めて水魔法で包む。何とか成功した。鉄球の温度自体は、1000度をちょっと越したぐらい。それ一つなので規模としてはかなり小さいが、爆発させることに成功した。威力は、最上級魔法の50分の1ぐらい。体感としては、最上級魔法の、500分の1ぐらいの魔力しか使ってないので、50個同時にできるようになったら、かなりコスパの言い魔法になりそう。ちなみに、鉄球自体は創造魔法でいくらでも出せるので、回収の必要はない。


 ♢♢♢


 水蒸気爆発を引き起こすことに成功したのはいいのだが、如何せん威力を上げるためには、同時に操る鉄球の数を増やす必要がある。しかし、大きな問題があるのだ。

 それは、単純に同時にいくつもの鉄球を補足するのが難しいということである。そこをクリアしない限り、威力はたいして上がらない。じゃあどうすればいいか。そこも音魔法に頼ることにする。ソナー魔法を使ってみるのだ。

 自分の周りに、一種の感覚器官として働く結界を張り、音魔法で超音波を放つ、それで何となく周りの様子をつかむことができた。合わせて、魔力感知を使うことで、さっきよりも鮮明に周囲の空間を把握できた。

 一回、鉄球を20個まとめて投げてみる。若干分かりにくいが、全部の位置がつかめるようになった。これで、すべて同時に温められたら成功だ。


 一回心を無にし、集中。気合十分ということで、試してみる。20個の鉄球をまとめて、ポイ!と投げる。その後、すべてを温める。

 地面に落ちたて球を見ると、20個のうち、15個が赤くなっていた。まだ完全とは言えないようなので、今度は、鉄球のほうに細工することにする。鉄球を、薄いミスリルの膜で包む。ミスリルも創造魔法で作れるので、フルでミスリルでもいいのだが、鉄のほうが魔力的にお得なので、ケチっているわけである。貴族になって九年ほど、いまだに「お得」という言葉につられる一般人の感覚は抜けきらない。それが無限のリソースであったとしてもだ。

まぁ、そんなことはさておき、ミスリルコーティングを施したことで、鉄球を魔力感知で把握しやすくなった。

ということで、20個にもう一回チャレンジ。

はい、普通に成功しました。じゃあ、30個は?ってことで、30個、ポイ!

25個で打ち止めでした。とりあえず25個まではいけることが分かったのでよし。

今後も練習していけばもっと増やせると思うので、どんどん練習していこう。

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大賢者は生産職 ?〜アカシックレコード使って生産無双~ 水草。 @marimoro

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