この素晴らしい世界に現実を!

Ryuu65

全てを知るもの

真実と未来と主人公

「佐藤和真、アクア、めぐみん、ダクネス、クリス、ちょっと来てくれ、話したいことがある」

昼からギルドで盛り上がっていた俺達に、真面目な顔でそんな事を言われた。

見た感じ歳は十五か十六の日本人。

こいつも転生者か?

歩いている途中にゆんゆんと会い同じく呼ばれた。

言われるがままに案内された平原の真ん中。

人は誰もいない。

「俺は、全てを知る者だ」

「「「「「え?」」」」」

「おおっ!」

いきなりの言葉にハテナマークが頭上に出る。

一人だけ、反応が違うやつがいた。

「いいですね!そのセリフ。紅魔族にビンビン来るカッコイイセリフですね!」

確かに、そのセリフはゲーマーな俺にもビンビン来る。

「全てを知るもの?」

「どういう事だ?」

クリスとダクネスが聞くと。

「俺はお前らの過去、未来、経歴をほとんど知っている」

「「「「「は?」」」」」

「おおっ!」

また反応が違うやつがいた。

「まあ長々と説明してもアレだし、簡単に言うと…………」

「えええええええええ!!??」

いきなりアクアが驚いた。

「まだ何も言ってないんだけど」

「いや、こういうのってお約束だから…ごめんなさい」

無言でアクアに圧力をかける。

「気を取り直して、簡単に言うと…小説がでてるんだ。『この素晴らしい世界に祝福を!』っていうタイトルで、カズマが主人公。アクアがヒロインで」

「「「「「「は?」」」」」」

まだ状況がつかめない。

「まあその反応が普通だよな。で、今の日本には『この素晴らしい世界に祝福を!』っていうタイトルで、カズマが主人公。アクアがヒロインの物語があるんだ」

「「「「「「は?」」」」」」

もう何度目だろう……。

「いや、だからどういう……」

「見せた方が早いかな。カズマとアクア、こっちに来てくれ」

言われるがままにそっちに向かうとその少年が言うとおり、『この素晴らしい世界に祝福を!』というタイトルの小説が。

それを拝借し読ませてもらうと…。

「はあああ⁉おい、これマジか⁉」

今までの俺たちの細かい記録が物語となっていた。…俺が主人公で。

「アクア、アクシズ教団があがめるご神体で、水の女神」

「カズマ、トラクターとトラックを間違えてショック死。アクアを巻き込み転生」

や、やべえ。こいつの言ってることマジか?

偶然なのか俺たちがレールの上を歩いてるだけか。

「めぐみん、子供のころに巨乳のお姉さんに爆裂魔法で助けられ自分も極めることに」

「ゆんゆん、友達が少ないめぐみんのライバル。めぐみんの為に中級魔法を覚える」

その少年の言うことは本当らしく、口を開けたまま驚いている。

「エリ…じゃなくて、クリスはこっちに来てくれ」

クリスは俺達とは違う離れた場所に呼ばれた。

「正体は幸運の女神エリスで、銀髪盗賊団のお頭」

「えええええええええ‼!‼君そんなことまでしってるの⁉」

超気になる。

「なんでそんなに知ってるんだ?」

「だから言ったろ?俺は日本からきて、『この素晴らしい世界に祝福を!』の小説に全部書いてあるんだよ。これから先、未来の事もな」

「「「「「「⁉」」」」」」

「しかもアニメ化して二期までやってるし、グッズは売れ、映画化!いまじゃスマホゲーム化までしてるよ」

まじか‼俺たちそんな人気なんか‼‼

少年の言うことがあっていたため、疑うことなく皆信用して聞いている。

「そして…この小説は…………完結している」

「「「「「「⁉」」」」」」

完結⁉

「それってどうなってんだ⁉俺はハーレムしてんのか⁉」

「んー…詳しいことは言えないけど、バッドエンドで終わってるかもしれないし、カズマが魔王を倒してるかもしれない」

「「「「「「⁉」」」」」」

「俺が魔王を⁉」

「それは無理よ。カズマさんが倒せるわけないわ」

「同感だな。私にも手を出せないこんな男が、魔王を倒せるはずがない」

「何か一気にこの人の信憑性しんぴょうせいがなくなりましたね」

「でもまだ倒すかもって言っただけじゃない」

「そうだよ。…でもこの人は私の正体も…………」

クリスが最後の方は何を言っているか聞き取れなかったが、モチベーションは上がった。

すると少年の体が透けてきた。

「どうやら、ここまでみたいだな。タイムリミットだ」

名前も知らない少年が消えていく中、最後にいう。

「カズマ、主人公はお前だ。これからもしょうがねえなあって言う人でいてくれ。あと、どんなに打ちのめされても解決策を見つけて……………アクアを見捨てないで、追いかけろよ」

その言葉を残し少年は消えた。

アクアを追いかける?

「どういう意味でしょう?」

「アクアさんを追いかけるって言ってたね」

「皆で楽しく鬼ごっこでもするのかな?」

「私の曇りなきまなこによると、カズマさんに嫌気がさして家出しちゃう気がするわ」

「だとしたら絶対追いかけないからな。ビンボー生活頑張れ」

 泣き騒ぐアクアを尻目に、未来の事を考える。

……本当に家出したら、友達思いのゆんゆんと趣味悪いミツルギが追いかけてくれるだろう。

「カズマさーん!お願い許して―‼」

……主人公は俺…か。

「しょうがねえなあ…」



               あとがき


このすばを愛する人間、Ryuu65です。

このような話はどうでしょう?

未来を全部言ってしまいたいですが、未来が変わってしまうので残念ながら…。

これからもこのすばを愛しながら頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします。

 それでは、【この素晴らしい世界に祝福を!】略して『このすば』が好きな方に少しでも良いことが起こりますように祝福を!

            「『ブレッシング』!」

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この素晴らしい世界に現実を! Ryuu65 @saikounasekai

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