いろんなネコさん大活躍! ネコさん故事成語
南川みなよし
しっかりネコさんはすべてお見通し! ~故事成語_千里眼~
ねこねこ王国に、ヨーイツという王様がいました。
ヨーイツは、とても頭のいいネコだったので、部下を上手にあやつって、たくさんの部下たちの情報をしっかり集める、しっかりネコでした。
そのねこねこ王国の領地のすみっこに、まんぷく村という食べ物がおいしい小さな村がありました。
「まんぞく」というネコは、ヨーイツから村を治めるように任されていましたが、まんぷく村にはおいしいネコ缶や、さしみがたくさんあって、まんぞくは働きもせず、毎日まんぞくするまでネコ缶やさしみを食べては寝転がっていました。
「どうせこの村は、ねこねこ王国のすみっこだし、だらだらしていてもヨーイツ様にみつかりっこないさ」とまんぞくはあくびをして、またウトウト昼寝を始めました。
そして、さっき食べた新商品「かつおぶしネコ缶」の夢をみて、よだれをたらしていました。
「おい、まんぞく!」突然の大声にまんぞくは飛び起きました。そして、とてもびっくりしました。
なぜなら、目の前に王国の王様であるヨーイツが立っていたのですから。
「おい、まんぞく。お前は毎日働きもせずネコ缶やさしみを食べては寝転がっているな。」
ヨーイツは鋭い目つきでまんぞくを問い詰めます。
まんぞくはあわてて
「毎日いっしょうけんめい働いていたので、今日は疲れて、たまたま休んでいただけです。」と、汗を滝のように流しながら言い訳をしました。
まんぞくはたいそう太っておりましたが、このまま汗を流し続けると、あっという間にダイエットに成功し、さらには干物ネコさんになってしまいそうな勢いです。
ヨーイツはそんな言い訳をするまんぞくをギロリとにらみつけると、ふところからスマホを取り出し、なにやら操作をしたかと思うと、画面をまんぞくに見せました。
その画面には、監視カメラの映像と思われる、まんぞくが寝転がっている写真が日付つきで並んでいました。
「やい、まんぞく!お前が毎日仕事をさぼっていたことは、証拠の画像付きで、すべてまるっとお見通しだ!」
そう、ヨーイツは部下たちの情報を集めるだけでなく、IT技術も使いこなすスーパーしっかりネコさんだったのです。
このお話がねこねこ王国中にひろがり、ヨーイツ様は千里を見通す目を持っているとネコたちの間で話題になり、お仕事をさぼったり、威張り散らしたりするネコさんは、すっかりいなくなったということです。
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