【企画用詩集】なな月

相園 りゅー




――――風に□□□□はさはさ揺れながら

沼のおもてを白くした――――


 みずからを嫌悪していくこと

なげ棄てること

 あなたのつややかな

白い、葉肉


あなたは言葉にできないはず

だってあまりにめいはくだから


ノスタルジックが夏の日を前に

 腐蝕を前に

蟹は落ち葉の下で熟れる

 いいや、もう


あなたを見ることはないかもしれない

 種子が、葉が、花弁のない花が

  もしや

   海へまで行くと して




 「半夏生」

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