第4話 ピンクの× × × 。




痩せたい。

……けど母には逆らえない。




ーー吐くしかない。



必死な思いでトイレに駆け込む。


さっき食べたものを吐き出そうと、

恐る恐る指を喉元に突っ込んだ。


ーーおぇっ、、げっ、、



何度かチャレンジはしたが

出てくるものは唾液のようなものばかりで

胃の中の出したいソレは出てこない。




幼い時 高熱を出して嘔吐して以来

嘔吐をする事を恐れていたのもあり

実力で吐くという事が難しかった。


不安な気持ちのまま

トイレを後にした私は

すぐさま自室に戻り 他の方法がないか

携帯のとあるサイトを隅々まで漁っていると

下剤ダイエット というものが目に停る。


一時期 あるTV番組で見た ソレ。


食べた物の栄養を

腸が吸収する前に排便することで

食事制限なく 痩せられる

と言うダイエット方法だ。



吐けない私は これしかないと

下剤がある棚を漁り 一気に

ピンクの錠剤を10錠服用した。













2時間後ーー。






ゴロゴロ……ゴロゴロ……


お腹の音と共に

のたうち回る様な腹痛が襲いかかった。


下剤を飲むのなんて、中学生以来だ。


説明書に記載されている

用量を守って使用していれば

凡そ早くても

7、8時間ほどで聞き始めるのだろう

容量を無視して服用したため

薬の効きは勿論 用量を守った時より早かった。



再び

トイレに駆け込み 便座に座る。

あまりの激痛に冷や汗を流しながら陽を達した。


そして私はこの時

僅かに不安な気持ちが軽くなった。


「……これで、、あの余分な炭水化物達は、ある程度 流れてくれたかな?……」


ここからが

地獄の下剤ダイエットの始まりだった。

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