言霊の姿

野田 琳仁

心の「刃と薬」

「言霊」言葉に込められた呪力というのはすさまじいものだ。言葉は人を幸せにする事ができる。でも、ときにはいとも簡単に人を殺す鋭い、鋭いやいばになる。その刃は毎日使う包丁よりも、アサシンが使うナイフよりも、侍が使う日本刀よりも、騎士が使う伝説の剣よりももっともっと鋭く、深く傷をのこす。その傷を治す薬は世界中のどこを探しても見つからない。だって無いんだもの。その傷を治すには何が必要か、それは傷をつけた刃と同じものだ。何にだってものは使いようだ。それは言葉も同じ。使い方によって人を殺す鋭い刃になるし、どんな傷をも癒す優しい薬にもなる。その薬が見つからずに亡くなってゆく人だっている。深く傷を負った心程に見つかりにくい薬はない。貴方はその薬になれますか? もしも、自分のその刃で傷をつけてしまったとしても、それを治す薬になれますか? 私は未だ、そんなに深い、深い傷を癒す優しい薬にはなれてない。だから、私は探してる。鋭い刃にならない方法を。優しい薬になる方法を。私は優しい薬を言霊って云う風に乗せて、傷ついた心を癒す薬になりたい。みんなもそう思ってくれたら嬉しいな。

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言霊の姿 野田 琳仁 @milk4192

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