第15話

「さて……と、そうと決まれば早速調べなきゃな」

 犯罪者でも可という回答をもらった場合、速やかに実行に移せるようにしておかなければならない。俺はインターネットを使って、犯罪者を調べ始めた。

「……一日にこんなに大勢の人が捕まってるのか」

 無銭飲食から殺人まで、全てを読んでいたら切りがない。俺は検索条件を徐々に絞っていくことにした。

「罪は殺人だな。それも怨恨以外の無差別的な犯行。そして刑期が半分以上残っているもの。あとは……子持ちは避けるか」

 結局、無差別殺人で現在最高裁まで争っているが犯行は認めているもの――さらに扶養家族がいない犯罪者にした。

「それでも結構居るもんなんだな」

 とりあえず数人をリストアップして、パソコンを閉じた。

 そして、いつもどおりの時間に夕食を済ませ風呂に入る。少し勉強をして、ゲームをしながら友達とスマホでやりとりをする。

 昨日までと何も変わらない夜。ただ一つ違うこと、それは

「早く返事くれよ……七三さん」

 近いうちに誰か一人を殺さなくてはいけない、ということだった。


 次の日の朝、ゆっくり起きてテレビをつけた俺は息が止まりそうになるほど驚いた。

 その画面には


『今度は人殺し権!?

 試験を依頼され実行した女性

 生出演!』


 という字が、大きく映し出されていた。

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