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「そんなもの簡単さ! 僕にまっかせてよ」


 イオリアは僕の手から、さっと教本を取り上げた。そしてそのまま身軽にも飛び上がり、教壇の上に座った。スカートの中が見えそうになるので、僕は思わず目をそらした。

 そんな僕の気遣いなどおかまいなしに、イオリアは、僕の教本を右手に開き、ちょうど指揮者がタクトを振るような、そんな様子で魔素文を読み上げた。


「イオト・アオラ・キリヤクト・レオーラ」


 歌うようなイオリアのかわいらしい声が、教室に響きわたる。とたんに、僕の背中の方で、何かが破裂するような音が聞こえてきた。

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