凡才

女神まします東の星に、

狂わされ行く詩学の小径。

手紙に愛の吐息を綴り、

器に注ぐ霊感の神酒みき


暗い河より砂金を掬い、

擂り鉢に練る言葉の薬。

揺らぎ乱れる思索の波間、

行き交う風に白く散る百合。


所詮私の韻はさかしら、

才無き者の醜い涙。

古典と今の境界を知り、

哀歓叫ぶ鈍重な舌。


女神まします東の星に、

狂わされ行く詩学の小径。

描いた夢は諸刃の剣、

すぐさま涸れる霊感の神酒。

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詩Ⅰ 黒井瓶 @jaguchi975

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