第11話 ダンジョンを広げよう
神々の温泉
昨日の設備ガチャから出てきたチラシに書かれた商品だ。
お湯には色々なものを回復する効果があり、お湯に浸かっていると体力、魔力の上限値が上がるらしい。
他にも効果はあるらしいが詳しくは書いていない。
これが本当なら、レベル1のままでも体力と魔力の上限値を簡単に上げられるし、あわよくば〈レベルストッパー〉の効果自体の解除も出来るかもしれない。
これを使わない手はないので設置しようとした、しかし
「設置出来ないな」
設置のしかた自体が難しい訳ではない
設備の設置はダンジョンメニューから設備管理で行う。
設備管理のメニュー画面にはダンジョンのマップが表示されいて、ダンジョンの土地は青、設置済の設備は緑、選択中の設備は赤、と色分けされている。未設置の設備は設備管理のメニューを開いているときに、設備名を口にするとマップの空スペースに表示される、設備のチラシはこの時になくなってメニューに登録される。
これをスマホのパズルゲームのように指でなぞりつつ青い枠の中に設備を設置していくだけだ。
注意点としては
敵のいるエリアは操作出来ない。
エリアに合わない設備は設置出来ない。
エリアの枠を越えて設備を設置出来ない。
の3点
ダンジョンはいくつかのエリアによって構成されいて、エリアには色々と種類がある。
隣合わせのエリアとは扉で繋がっている。
ダンジョンの大きさは外からの見た目の影響を受けない。
お城のような見た目のダンジョンが実は中身はトイレのように狭いエリアが3つだけだったり、コンビニのような見た目をしていて、レジャー施設のような広さのエリアがいくつもあるダンジョンだってあるかもしれない。
ちなみに、俺のダンジョンは今、2エリアしかない、今俺がいるボスエリアとその隣にある洞窟エリアだ、マップには長方形のエリアと凸凹の輪郭をしたS字の通路のようなエリアが映っている。
注意点の例としては
勇者や冒険者のいるエリアに新たに岩を設置し、下敷きにして倒すことは出来ない。
火山のようなエリアに雪だるまは設置出来ないし、雪山のようなエリアに溶岩溜まりは設置出来ない。
洞窟エリアに泉を設置しようとしても形が合わなければ設置出来ない。
といった感じだ。
今回、神々の温泉が設置出来ない原因は、最後の注意点に引っ掛かったのだ。
神々の温泉の大きさがとても大きく、今あるエリアではどちらにも収まらない。
この場合、ダンジョンに新しいエリアを追加するか、エリアを広げることで、設置出来るようになる。
せっかくなので今回は新たにエリアを追加することにしよう。
「色んなエリアがあるな、火山エリアや海中エリアから学校エリア、アミューズメントエリアってエリアもあるんだ」
エリアカタログというメニューがあったのでそこに書かれた色々なエリアを見ていたのだが見ていて飽きない。
溶岩が至るとこから流れている火山エリア、海底神殿があり様々な魚が回りを泳いでる海中エリア、複雑な迷路が遠くまで続いてる迷宮エリアといったゲームに出てきそうなエリアから、見てるだけで学生時代が懐かしくなるような学校エリアや観覧車やジェットコースターがあって遊園地にしかみえないアミューズメントエリア等のファンタジーの世界には無いはずの前世の影響を受けたエリアまである。
エリアの追加はDPを消費するのだが、値段はエリアによって違う、平原のような侵入者が攻略しやすく目立った特徴の無いエリアは値段が安く、火山のような攻略しづらいエリアや墓地エリアのような特徴があるエリアは値段が高い。前世の影響があるエリアは全て高くなっている。
安いエリアは500DPから追加できる、一方、高いエリアでは1000万DPを軽く越えているエリアもあった。
エリアの広さは値段に影響しない、しかしエリアによって広さの上限は違うようだ。
今回は一番安い値段帯、500DPの平原エリアを追加した。
広さは神々の温泉の4倍程度の広さ。
温泉の4倍の広さというと狭く聞こえるかもしれないが、神々の温泉が野球場ほどの大きさをしているので言葉で聞くよりずっと広い。
安いエリアはとてもシンプルで一面草や土しかなく、設備を設置したり、モンスターを配置したりして特色を出さなければならないようだ。
エリアを追加してしまえばあとは簡単で、マップを操作して新しいエリアに神々の温泉とボスエリアに繋がる扉を設置して、ボスエリアにも新しいエリアと繋がる扉設置して完了だ。
他にも設備を設置したければ、設備カタログからDPを消費して設置できるが、気になる設備は軒並み高い。
トレーニング施設という設備はとても気になったが50000DPなんて出せない。レベルが上がらないのだからトレーニング施設はとても魅力的だったのだが残念だ。
一通りの操作が終わったので、温泉に入って一息入れよう。
「ふー、これで温泉に入れるかな、着替えとかあったかな?」
前世の私物の中から、着替えやシャンプーリンス等のお風呂セットを取り出し、今まであった扉の横にある新たに設置された扉を通る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます