第11話 あの方

「……僕たち4人当てに国から招集状だよ」


 三原からの言葉に俺は理解が追い付かなかった。


「三原、招集状って何のことだ?」


「いやいや、そんなことも知らないの?」


 ……知るか!今知ったところなんだよ!


「……まあ、いいや。僕たち異能力者には機械族との戦闘に赴く義務がある」


 ……は!?何だよ、それ。


「まあ、何で知らないのかはこの際どうでも良い」


 ……どうでも良いのかよ!


「僕たちはこれからに会わないといけない」


 ……あの方。それはこの世界で生きているもので知らない者はいない。


 はこの世で絶対の存在。世界を統べる者。


「あと、こんな風な異能力者が生まれたのは機械族が生まれたのと同じ日だ」


「……てことは……」


 最初から異能力者は機械族と戦うために生み出されたということなのか!


「招集に応じなかった場合、どうなるんだ?」


「そんなこと僕に聞かれても困るんだけどなぁ……」


 どうやら三原もそこまでのことは知らないらしい。


「……アタシは行くわよ」


「私も行きます!」


「……あとは菊井真也。君だけだ」


 俺は正直、行くのをためらった。だが……!


「分かった。俺も行く」


「それなら良かった」


 こうして俺たち4人は学校を離れ、のいる神殿へと向かった。


『よくぞ参った。ちと、楽にせよ』


 神殿の内部は真っ白だ。汚れ1つない、綺麗な空間だった。


 荘厳な声で俺たちは肩の力を抜いた。


『お前たちに集まってもらったのは他でもない。機械族のことだ』


 俺たちは固唾を飲んで続く言葉を待った。


『そなたらには明日から戦場である“シュラックフェーダストーダス”へと向かってもらう』


 シュラックフェーダストーダスは現在、機械族のアジトがある場所だと言われている。


『君たち以外にも二人の異能力者が同行する』


 俺たちはその言葉に驚いた。後ろを振り返ると身長が2mはあるだろう大男とモデル体型のグラマラスな女性が居た。


 ……あの女の人のスカート短い!あれは覗いてくれという合図に違いない!


 ――ベシッ!


「……玲奈ちゃん、さすがに背中叩くのは痛い!」


「先輩が変なこと考えてたからじゃないですか!」


 ……仕方ない。また後で覗きに行こう。


「俺はトラビス。まあ、俺の邪魔だけはしないでくれよな。ゴミども」


「私はキアラだ。まあ、その……なんだ。よろしく頼む」


 大男のムカつく定番の自己紹介とキアラさんの大人びた声での自己紹介が済んだ後、俺たちも自己紹介を済ませた。


 その後は神殿で飯を食ってその日は解散になった。

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