~素直になるために~優子の場合

 真夜中に長電話をするのは週末の楽しみだった、高一の時に初めて会ってからもう十年になるんだね。

 お互いに彼氏がいても変わらずに友達だった、さすがにその頃は遠慮しあったけどね。


 まったくもう、泣きそうな声で電話がかかって来たからびっくりしちゃったよ、麻由子が山口さんのこと好きになったって聞いた時は確かにびっくりしたけど、正直に話してくれて嬉しかった。


 高三の時だって、私が好きな松崎君と仲がいいのは知ってた、彼から告白された時は一緒に喜んでくれたよね、たまに三人で出かける時があったけど、本当は辛かったはずなのに楽しそうにしてくれた。


 松崎君の姿を目で追っている時があったことちゃんとわかってたよ。


 私よりずっと前からきっと好きだったんだよね。

 ゴメンね。


 だから大人になった今、素直に話してくれて麻由子の気持ちが知れて良かった。


 私たち、ちゃんと幸せになろうね。そしておばあちゃんになっても二人で花火をしようね。


 線香花火の玉はいつも同じ時に落ちたことまた確かめたいね。


 麻由子には幸せになって欲しいんだ。

 だって親友だもん。


 ~了~


 *コメントにて、優子のことを気遣ってくれる人がいましたので、急遽追加しました。

 主人公の名前は設定はしていたのですが、一話では書いていなかったです、すみません。


 そして思い切りハッピーエンドにしてしまいましたね。

 梅雨の鬱陶しい気分を少しだけほっこりして頂けたら幸いです。


 花望いふさん企画ありがとうございました。

 ちゃんと5000文字の中なので良かったですよね?




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素直になるために あいる @chiaki_1116

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