第28話 お給料管理4

 派遣元は同じだが、派遣先が変わる事によってお給料口座も変更される事になった。

 今度はその引っ越した県の地方銀行の口座を新しく作ってそこに振り込まれる事になる。


 これはチャンスだと思った。

 私はもう引っ越していて、作った口座は私しか知らない。


 当然、母は怒り狂った。


 家に置いてある私の色々な物をを捨てる等と脅しをかけながら口座を渡せとせまった。


 その時の私はもう二度と家に帰らないつもりでいたので、私物については見切りをつけた。

 けれど


「あんたがお金を渡さなかったらうちは、首くくって死ぬしかない」


 と脅された事には見過ごす事が出来なかった。


 そんな事されたら、私は一生気分悪いままで生きていかなければならない。

 当時一緒に暮らしていたみーたんたちは、そんなの無視すればいいと言っていたが、こればっかりは私は無視出来なかった。


 なので私は今までと逆に五万円だけ家に仕送りするというので勘弁してほしいと話した。


 この後、半年後を目途に、寮を出て部屋を借りて自分たちで生活していく計画を立てていたので、今までのような五万円で生活をしていくという状態では貯金が出来ないので、どうしても私はそれ以上のお金を持っておきたかったのだ。


 けれどいきなり十五万から五万では母は納得しない。


 色々話したのちに、なんとか最終的に十万円でケリがついた。


 初めて自分のお給料口座を手にした私は、今後の事もあったので精力的に残業や休日出勤をして今までよりもお給料を数万円多くもらうようになっていた。


 それでも十万を仕送りしていると、貯金出来る額は少なかった。


「どっちみち、半年後に寮を出たら、一円も仕送りできなくなるんだから今のうちに無くしておいた方がいい」


 とみーたんに助言されるも、結局私はその会社を退社するまでは仕送りを続てしまったのだった。

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