母は毒親でした

ピューレラ

第1話 母親と男性

 私という人間

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054886651354


 でも書いてきたように、私の母親は私が物心ついた頃にはパチンコに明け暮れる人でした。

 昭和五十年代から記憶がありますが、当時母のような主婦でありながらパチンコをしている女性は今ほどは多くありませんでした。


 なので目立っていたでしょうし、母は若い頃は大映ドラマによく出ていた女優の岡田奈々さん似の美人だったのです。


 だから口説かれる事も多かったのかもしれません。


 母の傍にはパパ(私は実父の事をパパと呼んでいた)ではない男の人がいつもいたような気がします。



 実は、私は人の顔をあまりまじまじと見ない方なのです。

 会話するときは別ですが、サラッとしか見ません。


 それはこの頃の母の傍にいた男性たちの事を見るのが嫌だった事から人の顔をあまり見ない、興味ないと思おうとしてきたからではないかと最近気が付きました。


 顔を見ると、その人の人となりやその時考えている事が子どもながらにも多少察せられます。

 まじまじと人の顔を見ない今ですら、サッと見ただけで何となく分かってしまう事もあります。


 私は物心ついた時はすでに、薄っぺらい人間が苦手で顔を見ただけでそれが感じられてしまう事が嫌だったのです。


 母がパパでない男の人と一緒にいるだけでも不快なのに、一緒にいる男の人たちはみんなにやりとした薄ら笑いと厭らしさを感じさせる表情なのが気持ち悪くてたまりませんでした。


 なのに母はそんな男の人たちの事を私が嫌がる態度どころか顔に出す事すら許しませんでした。


 幼稚園児の頃からすでに、母に言われなくとも、母がパパと違う男の人と一緒にいた事、仲良くしていた事をパパにはもちろん誰かに話してはいけない事は分かっていました。


 なので私がそういう事を知らずに話してしまったり、告げ口しない事は母も分かっていたので、より強気だったのでしょう。


 黙っていろという事だけではなく、男の人たちに可愛げのない子だと思われない程度には愛想よくする事を求めてきました。


 パパっ子だった私は、私が浮気しているような気分になりとても後ろめたかった気持ちはとても憶えています。



 そんな私と母の確執というか、私が母を好きになれなくなった始まりがこの幼少期からです。


 これから小出しに、色々とこの母の事、母との思い出等を綴っていこうと思います。


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