45.ありのままの君に触れたい

 はぁ、と両手に白い息を吹きかける君。握ろうとしたら、君は慌てて手を引っこめた。


「私の手に触れたものは凍ってしまうから」


 頬を赤くして変な言い訳をする。


「凍ってもいいから繋ぎたい」

「本当?」

「うん」


 冷たい手と手を重ねる。幸せって、なんて痛くて冷たいんだろう。

 ごめんね、と君が囁く。

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