天才の名作。

天 下句

『天才のズレ』

世に広く知られている名作と

言われる様なものには

いくつかのパターンが存在する

今回、文章にするパターンは

天才が特別何かをせずに、

滑らかに物語を書くことによって、

名作に成立するパターン。


では、

まずなぜかという疑問に立ち会おう。

天才と呼ばれるほどの人間ならば

物語を書けば、それは名作になるのではないか?

必ずしもそうとは限らない。

純粋に才能があっても、それを活かしきれない場合もあり得る。

それ以上に、天才にはとある問題が発生しやすい。

それは、至極真っ当で一般的な読者との、〖〗だ。

これが今回の命題である。


では、この文章における天才の定義を確認しよう。

〖絶対的に他者とは違うもの〗

〖大衆と確実で明確な線引きがあること〗

この文章における天才の定義だ。

なぜそうだと一般的な読者とのズレが起こるのか。

それはごくごく当然のことだが、大衆の人間と違うからだ。

これをもう少し紐解くと、

その理屈が良く分かる。


もう少し踏み込んで〖ズレ〗を書くと

〖物事への解釈の違い〗

だと、私は考えている。

一般的な読者の解釈を原点とすると、

天才はその斜め上か斜め下の解釈をしているのだ。

そうなる事で物語に意外性が生まれる

そうなる事で物語には、魅力的なキャラクターが発生する。

だが、無論いい事尽くしな訳では無く

どんな害が出るかは、これからご説明しましょう。


まず、日常生活に置いての食い違いが存在してくる。

解釈が違えば、考え方が違う為だ。

そして、食い違いは発展し、差別や偏見に変化する。

何せ、違うのだから。

基本的に天才はマイノリティ少数派だ。

それに違うが合わさると、酷い差別と偏見を、人間という生物は基本的には行うのだ。

生物は多様的なのだから、皆手を繋いでゴールなぞ出来はしない。

絶対的にマイノリティは存在してしまうのだ。

マイノリティに対する様々な物を書いたが、マイノリティが最も抱えている強い感情は、

ㅤㅤㅤㅤㅤ孤独だ。


彼等は誰より、明確な人間との線引きを感じているのだ。

誰かと違うという事は、人が思っているより、遥かに苦しい物なのだ。


個人的な持論なのだが、創造的な物を作成しているクリエイターは、

満たされたいのだから、創作活動をしているのだと思っている。

孤独は鏡しか見れなくなっていく。

鏡をどうするのか迄は、僕達第三者の手が及んではいけない琴線きんせんだ。

鏡の形を変え彼等はズレに浸っていきますますズレて生きずらくなる。

そうして鏡だった物を発表したのが、

この世界における創作物だ。


創作物が発表され、人々は批評する。

世の中の創作物の殆どは、知られてなんていない物だ。

それでも一際違う天才達の創作物は人の目に触れやすい。

罵倒されたり賛歌されたりまちまちだが、基本的に見るのは、

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤよく分からない

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤあまり理解できない

などだろう。

再三書いた、〖天才は人と違う〗ので、発生しがちな物だが、

それは今回の命題と直結する。


さて、長ったらしく書いてしまったが命題の最もの障害は、時代のニーズと天才が噛み合わない為、だ。

ニーズと言うと安っぽいが、需要という言葉でも良いだろう。

時代で環境が違えば思考も違う。

作品の完成度に関わらず、名作と呼ばれずに陰に埋もれる物だってある。

それは細々と変わる物で、全てを見通す事はなかなかできやしない。

偶にそう言うのをはっきり見て作る天才の存在はいるがね。


閑話休題かんわきゅうだいだ、天才は前述の〖ズレ〗によってよく大衆と食い違いを起こす。

ニーズと食い違いは水と油だ。

天才は度々、大衆の理解の外側にある領域りょういきを作ってしまう。

その為天才は、歩み寄らなければならないのだ。

領域のLvを下げ、理解の範疇はんちゅうへと差し替える必要がある。

この解決法は唯一の物ではなく、それ以上に読ませる力を持たせる力技も存在している。


では、こんな文を最後まで読んでくださった方々に簡潔なまとめをしよう。

今回の命題は〖天才と大衆のズレによって発生する食い違い〗

その対処法は〖天才から大衆の理解に歩み寄る それ以上の惹き付ける力を持たせる〗

重ね重ねこんな文章を読んで頂いて、有難う御座いました。

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