夏のイベント



早朝、早い時間にも関わらず、俺達の周囲は人でごった返している。


今日は三日間行われるオタクの祭典、東京コミックフェスティバルの初日だ。

コミフェスに行く日程は、友人達の買い物の手伝いなどを考慮して、俺一人なら最終日にしていたのだが。

こういうイベントに初参加で女の子の優衣と小夜のことを考えて初日した。


三日間行われるイベントで去年までの参加者人数を考えるとやはり初日が一番人が少ない。

もちろん、誤差のようなモノだが。


一度、行ってみたいと思う初心者なら初日が良いだろうと考えた結果だ。


「始発の時から思ったけど、本当に人が凄いね」


小夜の言葉に俺と優衣が頷く。

今日俺達は全員、動きやすいパンツスタイルだ。色気も可愛さもない。

待機列に並んでいる人たちを見ると、おしゃれな恰好をしている人はほとんどいない。

そういう格好をしている人は興味本位で来た人なのかな? いや、始発で来ないか。

慣れている人なのかな。


今日、俺達は早めに来場するために、始発の電車でやってきた。

最初の頃は、午後から行くかことも考えたが、色々と調べた結果、その時間帯だとイベントを見て回るのは難しそうだと分かったからだ。


始発の電車に乗り、そのままイベントをぐるっと一週して、電車が込み合う午後二時までに帰る。

俺達の今回の計画は大体そんな感じだ。


「覚悟してきたけれど、結構暇な時間ですね」

「うん、まあ、午後とかだと、日が昇って列を並ぶことになるから、早朝の方がマシらしいけれど」


しばらくすると、イベントスタッフが列を整理し始めた。俺達は指示に従う。

少しだけ移動して、先に来ていた列の人たちが座り始めた。俺達は比較的前の方なので、しばらくは動かないのかな?

そう思っていると俺達の列の方でスタッフが注意事項を叫んでいる。

どうやら、しばらくは座っていても大丈夫なのようだ。

俺は背中からリュックを下ろして周囲を確認してから座る。

優衣も小夜も同じく座った。

やはり、ちょっと高くても折り畳みの小型の椅子を買うべきだったかな?

キャンプ用の軽くて丈夫な奴。けど、優衣と小夜のことを考えると俺だけ椅子なのはなっとなって、買わなかったのだが。


「今日は午前中は曇りらしい」

「それなら、少しは気温は低いですね。この熱気だと気休めでしょうけど」

「そうだな」


俺の言葉に優衣が反応した。確かにこれから何万人が会場に入るんだ。

曇りだから、気温が数度低いよ。と言われても、気休めだろう。

こういう夏のイベントはどうしても汗でビショビショになる。それだけ、熱気に包まれることになるだろうな。


俺はスマホで天気を改めて確認した。今日は曇りで雨は無いらしい。

ありがたい。一応、雨具もあるが使いたくはない。


「アオハルでもしていようかな」

「そうだな。一応、俺が電池式の充電器も持ってきたから、いざと言う時は充電、平気だと思うぞ」

「ありがとうね」


小夜は俺の言葉に頷くとボリュームを消したことを確認して、スマホでアオハルを遊び始める。

ちなみに優衣は先ほどから少し落ち着かない様子だ。


「優衣、大丈夫か?」


コクンと頷くだけ。どうしたんだ? と思っていたら、俺のスマホにメッセージが来た。


――少し前の列に並んでいる人、綺麗だね


言われて俺達がいる列の少し前で、立ち上がって隣の男性と話している女性を確認する。


確かに美人だ。モデルでもしていると言われても納得できるレベルの容姿だ。


優衣からメッセージが来た。


――あの人も、コスプレするのかな?



そのメッセージに、俺はその女性を改めてみて答えた。


――キャリーバックがあるから、多分としか言えないかな。なんで?

――その、なんか恥ずかしくなってきて、コスプレするとか。


俺は優衣にこう伝えた。


――俺は出来るなら、優衣がコスプレしているところを独り占めにしたい。

――可愛い彼女を他の男に見せたくないけれど。

――優衣のコスプレ衣装は可愛いよ。だから、恥ずかしいことは何もない。


俺はそう伝えて、さりげなく優衣の手を握る。

すると優衣もぎゅっと手を握り返してくれた。


まあ、直ぐにメッセージを俺の手を離れたけれど。


――ありがとう、頑張ってみるね。

――ああ、それにメイクの練習もしていたんだよね?

――うん、姉ちゃんもオタクでコスプレイヤーだから

――そういえば、お姉さんが参加するのって、三日目?

――うん、好きな作家さんが最終日参加だからだって


一応、初日は一般系、二日目は女性向け、三日目が男性向けのようだ。

まあ、目安にしておけと友人に言われた。

それに友人は「ジャンルの配置は毎年変更される可能性があるから、カタログ見ておかないと結構大変なんだよね」と言っていたな。

去年は別の日に配置されていたジャンルが、今年は三日目になっていることもあるのかな?


流石に去年と今年の違いを調べる時間はなかったし、ただ参加するならいらない情報だから別にいいか。


それから、しばらく俺達はスマホゲーしたり、ちょっとした雑談をしたりして、時間を過ごした。

水分をがぶ飲みせずに、三十分ごとにチビチビと水分補給をしていたおかげか、幸いなことにトイレに行く必要はなかった。


女の子を二人連れているのでちょっと周りから視線を感じたけれど、気にしないことにした。





列に並んでから、優衣や小夜と話しながら過ごしたおかげか、列で座って待ち続ける時間はそこまで苦痛ではなかった。

優衣も小夜も同じだったようだが、小夜は疲れた。と苦笑いだった。

ここからが本番なので、頑張ってほしいけど。「無理するなよ。夏は成人男性でもリタイアあるみたいだから」途中で帰っても大丈夫だと、事前に話し合ったことだ。


「うん、ありがとう大丈夫」


小夜はそう言いながら、飲料水を一口飲んだ。それと首にタオルを巻いた保冷剤で体温を下げる。

定期的に体を冷やすのは大事だ。と言うことで、風邪とか引いた時に使う細長い保冷剤をいくつか購入した。


これ、結構助かるな。ネットニュースの動画で小型の扇風機は落とした時に破裂して危ないって聞いていたから、こっちにしたけれど、リュックに仕舞いやすいこっちにして良かったな。

ま、小型扇風機は落とさなければいいだけなんだろうけれど、この人込みだからな。


「はーい、そろそろ移動の準備をお願いします!!」


おっと、そろそろか。俺はスマホで時間を確認すると、確かに開場時間が近づいていた。

少し早気もするが、警告は一度だけではないだろうし、トイレのこともあるから、早めに声をかけているのだろう。


「二人とも、大丈夫か?」

「大丈夫です」

「私もです」


優衣と小夜に確認を取ると二人は問題ないと頷いてくれた。


それから、俺達も周囲も何事もなく時間は進んで、開場時間になった。


イベント会場の正面玄関の方から放送が聞こえてきて、更に拍手も起こってそれが徐々に周囲の列に伝播していく。


うん、ワクワクするわ。慣れた人達はうんざりしているかもしれないが。


まあ、俺達の列が動き始めるまで少し時間が必要だったが、結構前の方だったので比較的直ぐに会場には入れた。


途中で、一般参加者とコスプレする人の列で二手に分かれていたので、俺達はコスプレする人の列へ移動。


会場が広いので結構歩いたが、無事にコスプレする為の更衣室前まで来た。


「じゃあ、優衣、言っておいで。小夜も手伝ってやってくれ」

「行ってきます」

「はい」


更衣室は広いスペースに専用の壁を設置したもので、大勢が一度に着替えることが出来るようになっていた。


更衣室のすぐ隣にはかなり広いスペースがとってあって、ここでも撮影ができるらしい。


撮影できる場所は、ここと第一コスプレ広場、第二コスプレ広場の三つ。


「コスプレか」


俺は男だから、あまり着れそうなのは無いな。

したいとは思わないし。イケメンなら似合うだろうけれど。


それから、どれくらい時間が経っただろう、二十分くらいか?

小夜と優衣が女性用更衣室から出てきた。


何故か小夜が遠い目をしていた。多分、優衣のを直接見てしまったのだろう。

手伝いって化粧や日焼け止めクリームを背中に塗ったりすることだったんだけれどな。

まあ、いいや。今は優衣の方だ。


「お帰り二人とも」

「はい、お待たせしました」a

「戻りました」


前回、見せてもらったコスプレ衣装に白いカーディガン?

羽織るものが追加されている。確か、海外版の追加された布地のはずだ。


「それ、どうしたんだ?」

「お姉ちゃんが似ているからって、ついでにって」


なるほどね。少しでも布地を増やしておけば、トラブルになり難くなるな。


「小夜もご苦労様。大丈夫か?」

「凄い空間でした。一応、皆さんは恥じらいがあるのですが、時折見えてしまう兵器が凄かったです」

「そ、そうか」

「はい、視線をそらした先に優衣さんのが目の前にバーン! って」


少し精神的に消耗してしまった小夜を俺と優衣で少し慰めてから、移動をしようとしたのだが。


「あ、あの、その前にあそこにいるお二人の写真を撮ってきてもいいですか?」

「ああ、うん。許可が出たらな」


紅と青のキツネ耳の和服のコスプレ衣装を着た二人のコスプレイヤーをチラチラ見ながら、デジカメを取り出す小夜に俺と優衣は苦笑いを浮かべた。



この後、レイヤーのお二人から無事に許可がもらえたのだが、かなり近い位置で写真を撮ろうとしたり、片膝をついてローアングル気味に撮影しようとする小夜の首根っこを掴んで止めることになった。


「いきなり、お前は何をしている!?」

「ご、ごご、ごめんなさいっ、ついっ」

「あはは、うん、大丈夫よ」

「凄い度胸だね、その子」


更に数枚、撮らせてもらったと、二人のレイヤーさんから何故か小夜は気に入られてSNSのIDを交換していた。


それとレイヤーお二人に、優衣を撮影したいとお願いされた。

優衣は撮影はお断りするつもりだったが、女性ならばと二人から撮影されていた。


そして、優衣は二人のレイヤーさんから「大きいわね」「羨ましい」と左右から挟み込まれて、アワアワしていた。

ちなみに、小夜が許可を取って三人が密着しているところを撮影していたが、優衣の顔つきが変態のおっさんになっていて、ちょっと引いた。


この後、小夜が数人のレイヤーさんに声をかけて、撮影をさせてもらった。


うん、小夜のスケベ心前回かと思ったら、名作の怪盗アニメの主人公のコスプレをした男性も撮影していた。

どうやら、小夜って昔のアニメは再放送とかでよく見ていたそうだ。


「女の子ですけど、ボール集めるアニメの、〇め〇め〇の技の練習をしたことありますよ」


最近まで、すっかり忘れていましたけれど。と小夜は憂いのある表情をしていた。

小夜も小夜で何か色々あるのだろう。


ずっとここに居るのもアレなので、俺達は第一コスプレ広場に移動することにした。


けれど、まっすぐ行くと途中で企業ブースを通るので、せっかくだから見て回ることにした。


「大手企業さんばかりかと思ったら、聞いたこともない小さな会社もありますね」


小夜も知っている名作RPGの企業もあるが、一般には知られていない企業もある。

まあ、知名度のない企業の方が最近売上良かったりするから、不思議だ。


「あ、サイドスターもブース出ているな」

「え?」

「あ、本当ですね」


小夜がサイドスターのブースに行きたそうにしているので、俺は優衣と視線をかわして頷き合い、「ちょっと見ていくか?」と聞くと。並んでいる列を見てちょっと怯んでいた。


「並ぶ時間は気にしなくていいぞ。まだまだ時間があるしな」

「せっかくだから、行ってみましょう」


俺と優衣がそう言うと遠慮がちに「行きたいです」と答えたので、三人でサイドスターの列へ並ぶ為に移動する。

そして、最後尾のプラカードを持つ人の近くに行き、「並びます」と伝えて最後尾のプラカードを受け取る。


「あ、持ってみたいです」

「ああ」


優衣がちょっと嬉しそうな表情をしながら、最後尾のプラカードを持つと次は小夜が羨ましそうにしていたので、優衣が適当なところで小夜に渡していた。


最後尾のプラカード。ちょっと持ってみたい気持ちは分かる。まあ、直ぐに人が来て小夜がちょっと残念そうにプラカードを渡していたが。


列に並んでいる間に、三人で何が売られているか確認する。


「あ、とろろ様マスコット」

「本当だ」

「とろろ様?」


ゲームをある程度進めた小夜と俺は分かったが、まだそこまで進んでいない優衣が不思議そうな表情をしていた。


「ゲーム内のメインストーリーがいくつかあるんだけれど、その一つの主要キャラが好きな動物系のキャラクターだよ」

「きもか、わ?」

「あははは、まあ、気持ちは分からなくはないかな」

「わたしは結構好きですね。せっかくだからこれにしましょう。他のグッズはほしいですけれど、家に飾るのは家族がいますから」

「あー、そうか。家族に見られることを考えないとな」


ポスターとか買おうかなと思ったけれど、持って帰るのも大変だからやめておこう。


「あ、まとめて買うか? マスコット一つだと四千円以上で貰えるオマケ貰えないし」

「え、あ、本当だ。ドラマCD?」

「割とよくあるぞ。イベントのブースで一定の金額を購入するともらえる特典って」

「へー、あ、これって文月ちゃん達のお話なんですね」


小夜の言葉に頷く俺、確か今更新されているメインストーリーは文月というキャラ達の話だ。


「ドラマCD聞いてみたいなら、俺が立て替えるぞ?」

「あ、えっと、はい。聞いてみたいです」


俺は頷くと俺が代表で買うことになった。


「とろろ様のマスコットをふ「三つ」、三つでお願いします」


俺が小夜とおそろいのマスコットを持つことに嫉妬したのだろう。ちょっと何かを悩んでいた優衣が横から口を挟んだ。

優衣がキャリーバックから財布を取り出す前に、金を支払って荷物を小夜に受け取らせながら、俺は優衣に声をかけた。


「ごめんな」

「ううん。私の我が儘」


ちょっとむくれている優衣を宥めながら、小夜と共に第一コスプレ広場を目指した。

あ、荷物は俺のリュックがまだ余裕があるので、それにしまう。





第一コスプレ広場にたどり着いた。


既にちょっとした人だかりもあるみたいだ。


「前に話した通り、優衣は俺の左側で、小夜と俺で優衣を挟む感じで」

「はい」

「分かりました」


優衣と小夜が頷いてまだ人が少なめのコスプレ広場を歩き出す。


盗撮が意外とあるみたいなので、俺が隣にいれば盗撮される可能性は低くなるだろう。


「見たことのない衣装の方が多いですね」

「まあ、毎年アニメとかゲームが出てるからな」


小夜の言葉に頷きながら、俺も知らない作品のレイヤーさん達を見渡す。


何人か優衣と同じコスプレをしている人がいた。

なんとなく遠慮したのか小夜は、優衣と同じコスプレ衣装を着たレイヤーさんには近づかなかったが。


「あの、あひょっ」


「「ぶふっ」」


恐らく男装した女性レイヤーに話しかけた時に小夜が緊張のあまり、酷い噛みかたをして俺と優衣が吹いてしまった。

相手の男装レイヤーさんも、苦笑いをしながら小夜に「なにか?」と返事をしていた。


「あ、あの、一枚撮らせてもらえませんか?」

「いいですよ」


新選組っぽい衣装だな。女性向けのゲームのキャラかな?


「知っている?」

「ううん」


一応、優衣にも聞いたけれど、知らないらしい。まあ、そこまで乙女ゲーはしてないらしいし。


「うわ、この子撮影ウマ」


小夜は一枚撮って、男装レイヤーさんに画像を確認してもらうと、撮影された男装レイヤーさんは、驚いていた。

そうだろう。小夜の撮影技術の才能があると思うぞ。


「あ、あの良ければもう何枚か撮らせてもらえませんか?」

「いいよ」


小夜が控えめに言うと、快くOKをくれた女装レイヤーさん。


ちょっとポーズを撮って撮影を終えると、小夜は女装レイヤーさんとSNSのIDを交換していた。

交換率高くない? ちょっと羨ましいと思う反面、小夜の凄さを認識したよ。


今のうちに優衣のことをもう少し撮影してもらっておこうっと。


「あ、あの~、すみません」

「はい」


俺が小夜を見ていると隣にいる優衣が女性レイヤーに声を掛けられた。

どうやら、撮影をしたいらしい。


優衣は最初は断ろうとしていたが、少し考えてOKをだしていた。

一応、良いのか? と聞いてみると大丈夫と答えた。


そこから、何人かに声を掛けられ優衣は撮影に応じた。

ポーズもお姉さんから教えてもらっていたのか、ぎこちないけれど平気そうだった。


優衣も小夜も楽しそうにコスプレ広場を回ることが出来て良かったよ。


広場全体でも、トラブルはなかったようだし、ちょっとホッとしながら俺達は同人誌を見に行くことにした。


移動中も大勢の人達の波にさらわれないように、時折手を繋いだり、お互いに腕を掴んだりしながら、進んでいく。


小夜が何回流されそうになっていたが、二人で助けてどうにか移動が出来た。


スマホで地図を見ながら、知っているジャンルの同人誌を見ていくけれど。


「見たことがある絵柄だと思ったら、漫画家の人も多いですね」

「ああ、アマチュアからプロの人も多いって言うしな」


この会場、仕事しながら漫画、創作活動をしている人たちはかなりいるだろうな。

俺達三人は順番に同人誌を見てまわり、気に入ったものがあったら、いくつか買ってみた。

俺のは普通の四コマやイラスト。

優衣はゲーム内の創作料理のレシピ本。小夜は可愛い系の同人誌だった。


「なんというか、オタクのイベントだからもっとこう、ドロドロしたモノをイメージしていましたけど」

「まあ、オタクの全てが負のイメージ系ってわけではないからな」


小夜の言葉に苦笑いを浮かべながら、俺達はもう更衣室へ戻ることにした。

全体をざっと見てまわるだけでも結構歩く。


更衣室に戻る前にもう一度、第一コスプレ広場に顔を出して小夜が興奮して何人かのレイヤーさんの写真を撮ってから俺達は更衣室へ戻った。


途中で優衣や小夜がナンパっぽい男性に声をかけられたり、名刺や紙を貰っていたが、二人は笑顔で対応して後で俺に渡してきた。


とりあえず、まとめてゴミへ。


一定数居るんだね、ナンパ。優衣はお姉さんから事前に話を聞いていたらしい。

邪険に扱うとトラブルになるから、笑顔で対応して素直に引き下がってもらえと。


小夜も、小柄で可愛いから変なスカウトで声を掛けられたこともあるらしい。

大変だな。女の子って。


着替えが終わった後、更衣室の近くのコスプレ広場。いや、ここって待ち合わせが多いから待ち合わせの場所なのか?


まあ、ここで小夜が三人ほどして撮影して俺達は家に帰ることにした。


まだ午後の一時半、今ならまだ混雑にぶつからない。

こうして、俺達の初めてのイベント参加は無事に終わった。



「あー、ごめん。ここどこ?」

「終点ですね」

「あらー……」


帰りの電車のボックス席で、全員が疲労が原因でものの見事に眠ってしまい。

俺達は終点まで寝過ごすことになった。


思った以上に、イベントって疲れていたんだな。


俺達三人は疲れながらも、可笑しくてしばらく笑い合っていた。

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