磨かれた宝石が織りなす言葉のステンドグラス

誰も訪れることのない朽ちた洋館に飾られている、いくつものステンドグラスをながめているような気持ちになりました。
どの作品も選ばれ、磨かれた言葉が、鋭角に組み合わされて読み手の柔らかい神経を削ぎ取ってゆくようです。その痛みは、ある作品ごとに異なる感情を呼び覚まします。
あたりまえの日常を言葉でここまで異世界の景色に変えてしまうのはすごいとしか言いようがありません。
そもそもタイトル『右斜め45°の斜向かいから左に36.6°』が決まりすぎています!
私は『新しい下着』が好きです。

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