第12話 予約制の恋

大好きだったんだ

分度器みたいな視線

スケジュールに浮かぶ法悦

デコルテで会話する

君の形をした何か


埋められない気がしている

突き指したようなズキズキ

内臓に詰まる塵

通り雨を追い

騙し絵を買って

空元気な脳幹

なにもかも

どこにもいないこと

景色を絶縁する発煙筒


絶望、絶望、


大好きだったんだ

屈折した焦点

間延びした輪廻転生

爪床に塗った想い

粘度

断片的な君の思考


絶望、絶望、


1円も満たされぬ今日


埋められない気がしている

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