Side Story 〈Airi〉 episode Ⅸ
本話は、本編17話の話になります。
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6月13日の土曜日。
その日の活動日に、ゆめがこなかった。
戦略的に色々みんな話してたけど、あたしはそういうのはパス。みんなに任せるに限るのだ。
コンテンツ突入前に色々すごいやつが出て来たりもしたけど、その中にセシルもいた。
その影響と、一昨日の色々のせいか、だいがミスだらけで火曜日には倒したという相手にあたしたちは惨敗した。
ま、負けは負けで面白いんだけどねー。
あたしはまだ倒してないのが、ちょっと複雑。
でもあたしなんか比べ物にならないくらいにだいがしょぼくれてる。
あたしと違ってけっこう気合いいれたプレーヤーだしなぁ。
しょうがねぇ、フォローしてやるかー。
そう思った時だった。
〈Yume〉『ねぇ聞いて!!』
遅ればせながら、あたしの相方の登場。
なんだなんだ、普通は『遅れてごめんなさい』だろ?
しかし、いきなり『聞いて』ってのは珍しいな。
どうしたんだゆめのやつ?
好きな芸能人にでも会ったかー?
〈Jack〉『今日は遅かったねーーーー』
〈Soulking〉『聞いてって、どうしたのー?』
みんなの言葉を代弁する二人。
次にゆめは何を言うんだろう。
きっとみんなと同じように、あたしもゆめのログを待った。
〈Yume〉『フラれちゃったーーーー』
……は?
フラられたって、え、ゆめこの前までのろけてたじゃん!?
なんだ? 何があった!?
〈Yume〉『今日は活動日だから帰るねーって言ったら』
〈Yume〉『いつまでゲームやってんのって言われて』
〈Yume〉『ケンカなって』
〈Yume〉『フラれました!!』
〈Yume〉『誰か私を慰めて!』
あーららっと。
趣味のずれかー。
さーて、どうしてやっかなー。
〈Pyonkichi〉『人の趣味に口出すとか、ひどい男だなー』
〈Daikon〉『そうだな、嘘つかずにちゃんと言ってんのにひどい男だ』
〈Yukimura〉『ゆめ可哀想・・・』
〈Jack〉『女々しい男だねーーーー』
〈Soulking〉『よしよし、いっぱい愚痴っていいよー』
〈Earth〉『男なんて、星の数だけいるからねっ』
あたしを皮切りに、慰めラッシュ。
いいねー、ゆめは愛されるてねー。
でも、男どもは無言かー?
あ、一匹は確実に混ざってるけど。
でもこういう時は、やっぱ文字だけじゃ足りねーよな!
みんなで話すのは楽しいけど、どんなに楽しくても、モニターの前では一人。
近くには誰もいない。
そういうもんだって分かってるけど、やっぱり、寂しいと思うこともある。
やっぱり失恋すると、人肌が恋しくなるよな。
よっしゃ!!
決めた!!!
いくぜぴょんきち!
ここはあたしたちで、盛り上げるぞ!!
〈Pyonkichi〉『よし!明日オフ会やろうぜ!ゆめを慰める会だ!』
会っちゃいけないなんてルールはない!
だからあたしは、モニター前でにやっと笑って、こう言った。
〈Yume〉『え!それ超いい!みんな私を慰めて!;;』
お、ゆめも乗り気なってくれた!やったぜ!
さぁみんなも来いよ……!
〈Pyonkichi〉『昼からカラオケでも行って叫んで、夜は飲もう!』
〈Yume〉『歌う!飲む!みんな来て!』
〈Jack〉『急だなーーーーw』
〈Yukimura〉『む、明日は予定いれてしまった・・・』
〈Pyonkichi〉『そんなのキャンセルだー!仲間のピンチだぞー!』
〈Yume〉『そうだそうだ!』
ジャックとゆっきーは、だめっぽいかー。
〈Gen〉『今日の明日でいきなりは無理だろw』
〈Soulking〉『ごめんね、行きたいのはやまやまだけど、まだ子ども小さいから・・・』
〈Pyonkichi〉『それはしょうがない』
〈Yume〉『うん、それはしょうがない。家庭優先』
〈Pyonkichi〉『ゆめって、どこに住んでるん?』
〈Yume〉『横浜!』
ちなみにゆめが住んでるところは前に話したことがあったから知ってた。
さすがに行ける距離じゃなかったら提案はできなかったからね!
よし、たたみかけるぜ!
〈Pyonkichi〉『いい場所だ!じゃあ明日は横浜オフ開催!』
〈Pyonkichi〉『関東民挙手!ノ』
〈Pyonkichi〉『ノ町田!』
〈Soulking〉『栃木の北関東は仲間にいれてもらっていいのかなー、行けないけど』
〈Yukimura〉『ノ大宮。次回あれば、行く』
〈Jack〉『ノ千葉ーーーーでも明日はごめんねーーーー俺も次回あれば行くーーーー』
ほうほう、関東が多いなー。栃木はちょっと遠いけど。
〈Earth〉『えーーーーみんな関東なのっ、いいなぁ・・・』
〈Yukimura〉『あーすはどこなの?』
〈Earth〉『大阪やで☆』
へー。
〈Gen〉『関西人だったのか~』
〈Daikon〉『ノ都内』
お。
〈Pyonkichi〉『都内!だい確保!』
〈Yume〉『だい確保!』
〈Pyonkichi〉『ゼロやんは!』
なかなか答えないゼロやんに聞いたのは、だいのためなのは秘密な。
ゆめのための会だけど、こいつらがリアルで会ったら、楽しそうじゃん?
〈Yume〉『ゼロやんは!』
〈Zero〉『お、俺も都内』
ですよねー!
さすがゼロやん、分かってる!
〈Pyonkichi〉『都内!確保!』
〈Yume〉『ゼロやん確保!』
〈Pyonkichi〉『ゼロやんは強制な!』
〈Yume〉『強制な!』
ゆめも乗り気だなー。
ゆめは普通に、男にも来て欲しいってとこなのかな?
あとでちょっと打ち合わせしとこっと。
〈Zero〉『なんでだよw』
〈Daikon〉『ゼロやん行けるのか?』
っと、いいねーだいちゃん!
積極的!
そういう展開、待ってた!
〈Zero〉『あー、予定はない。だから行くよ、行かなきゃどうせ文句言うんだろ?』
当たり前じゃん。
何言ってんのこいつ?
君の選択肢は「Yes」か「はい」か「喜んで」だけだぞ?
〈Pyonkichi〉『ええ、強制ですから』
〈Yume〉『来なかったら一生恨んでやる』
〈Zero〉『こえーよw』
〈Daikon〉『俺、昼はちょっと予定あるから、夕方からでもいい?』
夕方、か。まぁゼロやんとだいを引き合わせられるなら何でもいい。
だいもこの前のセシルの件で色々もやもやしてるだろうし、いやぁ、あたし優しいねー。
〈Pyonkichi〉『もち!飲むぞ!』
〈Yume〉『飲むぞ!』
〈Earth〉『男子3人で、ゆめちゃん逆ハーレムだねっ☆』
うっわ、こいつはほんと、すげぇな。
〈Gen〉『明後日は平日だからなー。大人としての節度は守るんだぞ?』
〈Pyonkichi〉『それはどうかな!』
さすがリダ。大人な意見。
でも、テンションあがったあたしは止まらんぜ!?
〈Zero〉『いや、それは守れw』
〈Pyonkichi〉『集合時間はどうする?』
〈Zero〉『おい、無視すんなw』
〈Yume〉『桜木町のサンデイズ前に11時で!』
〈Daikon〉『けっこう長丁場で歌うんだなw』
〈Yume〉『ぴょんとゼロやん一緒にお昼食べよ!』
〈Pyonkichi〉『昼飯からか!おk!
ゆめも元気な感じなってきてるし、いい流れだ。
あたしもまだこの前のむかつきもあるし、明日ははっちゃけちゃいそうだなー!
〈Zero〉『それはいいけど、どうやって合流する?』
〈Yume〉『ロンTにバラ柄のスカート履いてく!』
〈Pyonkichi〉『おお、それはわかりやすい!』
〈Yume〉『元カレがくれたスカートwww』
〈Daikon〉『身を削ったボケだなw』
〈Yume〉『あんな男忘れてやるー!』
〈Yume〉『あー、みんなと話して元気出てきた!明日楽しみ!』
〈Soulking〉『よかったよかったー』
〈Earth〉『ゆめちゃんは元気が一番だね☆』
〈Yukimura〉『次回は、必ずいくから』
〈Jack〉『そうだねーーーー次回は新宿でーーーーwww』
〈Gen〉『宇都宮でやるときがあれば、案内するぞw』
〈Daikon〉『餃子・・・』
〈Pyonkichi〉『餃子いいね!夏にやろうぜ!』
〈Zero〉『色々気が早いなw』
しかしほんと、ここはいいギルドだ。
みんなリアルで会うことに抵抗なさそうだし。
嘘の「俺」だらけのギルドなのにねー。
〈Pyonkichi〉『遅刻禁止だぞ!』
〈Yume〉『だぞ!』
〈Daikon〉『あ、夕方組はどうすればいい?』
〈Yume〉『16時に朝と同じ場所で!』
〈Daikon〉『飲み始め早いなwりょーかい』
〈Yume〉『あー、明日楽しみ!』
こうして、緊急だが明日のオフ会が決まる。
明日はあたしとゆめ、だい、そしてゼロやん。
あーすはゆめの逆ハーレムって言ってたけど、完全にゼロやんのハーレムだよねー。
ま、噂のイケメンがどう振舞うのか、楽しませてもらうぜい。
〈Pyonkichi〉『明日、あたしら10時集合にしない?』
みんなでの会話を終えたあたしは、ゆめに個別でメッセージを送った。
〈Yume〉『どうして?』
〈Pyonkichi〉『決まってんじゃんwゼロやんへサプライズw』
〈Yume〉『おお、面白そう!』
〈Pyonkichi〉『だろ?どうせあたしのこと男だと思ってるしw』
〈Pyonkichi〉『先に集まってお茶してから、ゼロやんと待ち合わせしようぜw』
〈Yume〉『賛成でありますw』
すっかりゆめも元気な感じ。
さ、これで明日の予定もばっちりだ。
みんな、どんな奴なのかなー。
あたしは遠足前の子どもみたいな気持ちで、その日は眠りにつくのだった。
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補足で書くことが今回浮かびませんでした。
何かあればコメントにお願いします……!
次話くらいまでは、ほぼ本編のなぞりかもしれませんが、サイドならではの話も書いていきますので、お楽しみに。
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