12

 その夜ぼくは白いものを素材にしたベッドに飛び込んで眠りについたら窒息したという夢を見た。なんとも心地良いのだ。心地良いが、ふわふわとしたぬくもりに包まれながらぼくの呼吸は停止することをよぎなくされた。停止した、とはいえ、実際には息はしているのだ。呼吸はできる。でも夢の中で寝ているぼくは、息を吸うとか吐くとかができなかった。できそうでできなかった。白いものがぼくの体を包み込んでいたからだ。夢の中で呼吸は全くできなかった。肺だけを膨らましたり縮ませたりしていた。肺の中の酸素は徐々に使われていった。ぼくは柔らかく包まれつつ窒息していった。酸素、血液、ヘモグロビン……

 ぱっと跳ね起きて、大きく息を吸い込んだ。無事を知って息を吐いた。となりで姉が、すやすや寝ていた。

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おもち higansugimade @y859

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